ナース指導者が行っている 地域包括ケア病棟での実習指導とは
私は23年看護師をしています。今の病院に4年制の看護学校が隣接しており、実習指導は5年以上しています。現在は地域包括ケア病棟に所属しており実習指導もしています。どのように指導をしているかを伝えたいと思いますのでよかったら参考にしてください。
地域包括ケア病棟とは
要介護となっても住み慣れた地域で自分らしい生活を最後まで続けることができるように地域で自分らしい生活を最後まで続けることができるように地域内て助け合う体制のことを持つ地域ケアシステムは「住まい」「医療」「介護」「生活支援」を一体的に提供します。その中で医療は急性期病院、亜急性期、回復期リハビリ病院の他、かかりつけ医や地域の連携病院を指します。病気になった際の入院などを急性期病院などが担い、日常の医療をかかりつけ医や地域の連携病院が担うという想定になります。その中で私の病棟は地域包括ケア病棟があり、入院期間60日で退院となります。その中で退院の方向性を決めて自宅や施設への退院となります。
参考文献:健康長寿ネット
私はこの病棟にて看護師実習指導をしています。
私の勤務状況とは
コロナ状況での実習の状況
2020から2022年はコロナにて実習時間が半日だったり実習ができない状況でもありました。コロナの緊急事態宣言などで実習受け入れできないときは看護学校でカンファレンスのみ参加や事例をもとに患者のアセスメントなどを行いカンファレンスにて発表したり、事例をもとに技術練習の指導などを行っていました。緊急事態宣言が無くなったあとは半日のとなっていたので患者さんと関わる時間を10分から15分設定されておりそれに沿ってスタッフの業務見学のみを行ったりしていました。また10分内でできるコミュニケーションを行っていました。
今年の実習の状況
コロナが5類となってから一日実習となり、患者さんへ制限なく関われるようになりました。今年は一日受け入れを行い、しっかり指導できています。受け持ち患者さんを決めて
このような感じで行います。学生の人数は5名から7名、受け入れ人数は毎年変わります。2023年は病棟編成の状況で各病棟が受け入れできないこともあり7名と増えた様子もありました。各病棟にて引率の看護学校の先生は一人来られます。
実習指導の実際とは
私の病院では患者選定や許可とりは実習指導者が行います。患者さん、ご家族許可のもと実習に入らせていただきます。拒否されることもありますが、今までの経験として8割は受け入れいただけているように感じます。実習生はスタッフや患者さんとの関わりにて緊張するので、そのフォローを実習担当者と看護学校の先生が行っています。
オリエンテーション
病棟での実習初日はオリエンテーションを行います。その中では病棟の特徴、スタッフの人数、疾患の特徴、手指消毒の仕方、感染対策、医療安全、実習態度などの指導を行います。
病棟の特徴・疾患の特徴
病棟の特徴については何床か、患者何人に対し看護師の割合も伝えます。またどういう病棟かの内容を伝えます。疾患の特徴についてはどういう患者さんが多いかで病棟の特徴がわかります。
感染対策・手指消毒の仕方
2020から2022年コロナがありましたので現在も感染対策のことは継続して伝えています。病棟での取り組み方、一処置、一手洗い(一消毒)などはコロナ前からも行っていますのでその内容を伝えます。また病棟での多い感染内容、取り組み方法を伝えます。オリエンテーション後に手袋とエプロンの付け方、取り外し方も実施するでエプロンの種類や手袋の使用方法は口頭で伝えます。エプロンはガウンとエプロンがあり、標準予防策として環境整備やオムツ交換は手袋、エプロンは必須です。ガウンは感染対策として感染がある人は使用する場合があります。手指消毒の仕方は環境整備を教える際にいつするのか、どのくらいの量でするのかを伝えます。各病院のマニュアルがあるのでそれに従って行います。
医療安全
医療安全については担送、護送の意味、転倒、転落の対策方法について、統合実習では夜勤の様子もオリエンテーションで伝えます。詳しくは別のブログにて安全対策について書いていますのでご覧ください。
実習態度
患者さんへの実習態度については看護学校で学習にてこられますが、実際学生同士が集まると患者さんのところへはいかず話してばっかりだったり、情報収取の際に話し込んでいたり座り方の行儀が悪かったり、言葉遣いが悪いなど基本的な内容をオリエンテーションで指導します。廊下を走らない、報告・連絡・相談の必要性、病棟での統一事項などを伝えます。
コミュニケーションの方法
基礎実習は最初の実習となります。基礎実習はわからないことも多く動きもぎこちないですが最終日には実習生の間でしっかりコミュニケーション、協力体制ができ、スタッフへの声かけもできるようになっています。最終日には患者さんと別れるのが寂しいと泣いている様子も見ることができます。コミュニケーションは詳しく別ブログにて書いていますのでご覧ください。
一番気になることはスタッフへの声かけの仕方だと思います。スタッフもバタバタ業務を行っている中、実習生の対応を快くしてくれています。実習生がスタッフに対して声かけをしにくい雰囲気を感じることがないように実習指導者が間に立ってしっかり関わることができるようにしていきます。
情報収集の仕方
今の情報収集も電子カルテから収集する形になっています。基礎実習では初めて電子カルテに触るので開き方、触り方、指導者の管理のもと行います。個人情報の大切さもオリエンテーションで安全対策として厳しく指導しています。SNSへ発信しない、情報を口外しない、メモを取りますがメモの保管方法、記録用紙を別の場所に置きっぱなしにしないなどです。しっかり保管しているため問題は起きていません。
ケアの見学
ケアの見学はスタッフの見学に入っていただき、その後に実践となりますが、しっかりできるようにきちんと指導を行います。実践も許可がある際に見守りにて行います。ケアの見学というとおむつ交換や体位交換、皮膚の処置、検査出しでの移乗、移送などです。全て最初は見学から始まり、全てスタッフが一緒に行います。
バイタルサイン
バイタル測定も見学、実践となりますが、きちんと学校で練習して学生同士の実践で許可が出ないと患者さんには実践できません。測定値も正常値・異常値を理解していることが必要であるので正常値・異常値を理解していないと実践許可が出ず、患者さんに実践はできません。バイタルサインは報告の仕方も重要で、観察点、アセスメント力も報告の際に指導を受けます。看護用語の使い方も指導することで使えるようになります。
看護実習生に思うこと
看護実習生との関わりは楽しいです。毎日指導するというよりは話すのが楽しいです。一生懸命に真面目に取り組む様子は私の励みにもなります。初々しい様子も感じられるので、自分が看護実習生だった頃を思い出します。私の頃は怖い印象しかなかったので、私がこうして欲しかったということを思い出して
最後に
1年かけて4学年実習受け入れ実習指導をしています。私は実習生と関わることが楽しいです。これからも実習指導に携わり、私の憧れた看護師さんが増えることを望んでいます。また嬉しいことなどは書いていきたいと思います。読んでいただきありがとうございました。
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