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ナース指導者が教える 成人看護学実習Ⅰとは 学んでほしいこと

ナース指導者が教える 成人看護学実習Ⅰとは 学んでほしいこと

今回は基礎看護学実習Ⅰ、Ⅱにつづき成人看護学実習について学んでほしいことを書きました。看護学実習があると不安に思ってる看護学生さんは多くいます。その方々に実習指導者を行っている私が学んでほしいことを伝えたいと思います。

成人看護学実習とは

あらゆる健康レベル急性期、慢性期の健康や生活の再構築などの人を対象とした幅広い看護の考え方や援助方法について学ぶ学問、実習です。

成人看護学実習Ⅰ目的とは

成人期にある対象者を総合的に理解しあらゆる健康レベル、健康障害のある対象者及び家族の看護を科学的に実践できる基礎的能力を養う。健康障害のある対象者を身体的・心理的・社会的側面から総合的に理解することができる。

成人看護学実習Ⅰの目標とは

急激な身体侵襲を受けた対象の身体的・心理的・社会的特徴を理解することができる。急性期にある対象や家族の心理状況を踏まえて関わることができる。身体侵襲による合併症を予防し、退院後の生活に向け順調に回復するための看護計画が立案できる。

成人看護学実習Ⅰの特徴

  • 実習期間90時間12日間、2週間弱の期間
  • 受け持ち1人を受け持つ(コミュニケーションのとれる患者)
  • カルテからの16項目の情報収集
  • 情報から全体像把握し問題点を考える
  • 問題点から看護計画を立案する
  • 看護計画から実践していく
  • 受け持ち患者のバイタルサイン、検査見学、入浴見学、更衣見学実施、シーツ交換実施、環境整備見学実施、食事の配膳
  • 実践後の評価
  • カンファレンス
これは基礎看護学実習Ⅱと変わりはありませんが患者選定は急性期のでの患者となります。そのため現在治療しており入院後数日しか経っておらず、今後も方向性がまだ決まっていないような患者が選定されます。基礎実習ではコミュニケーションが行える患者が選ばれていましたが今回が治療優先、急性期、急性期治療直後の患者が選ばれます。

成人看護学実習Ⅰの対応する病棟とは

成人看護学実習Ⅰの対応する病棟とは一般病棟、急性期対応病棟、地域包括ケア病棟などがあります。どのような患者さんが患者選定されるかを事例として書いています。よかったら参考にしてください。

地域包括ケア病棟とは、60日期限にて他職種連携し早期に退院を目指す病棟。詳しくは別ブログに作っていますのでよかったらご確認してください。
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事例1

患者A氏は自宅で独居、80歳代の女性転倒し大腿骨頸部骨折ありその後手術をして認知症発症。寝たきり血なり自宅には退院できず、施設を検討することが必要。

事例2

患者B氏は自宅で家族と暮らしている。腹部症状と発熱があり総合病院へ救急搬送となった。肝硬変と診断され治療開始、その後近院へ転院となる。

事例3

患者C氏は施設入所中。施設にて発熱繰り返し、本院受診し誤嚥性肺炎と診断。治療開始となり絶食、抗菌剤開始。今後もとの施設へ退院予定。

実習の流れ

実習1日目

実習のオリエンテーションがあります。内容は病棟の紹介、感染対策、安全対策、実習態度、個人情報の大切さなどを学びます。基礎看護学実習でも詳しく話しているのでその内容を再度確認するようになります。患者選定は指導者が学生の人数に合わせて患者を決めてご本人やご家族に了承を得ているのでその患者の中から自分の受け持ち患者を決めます。受け持ち患者の挨拶、カルテより情報収集後に患者からのコミュニケーションでの情報収集も行います。初日は病棟の1日の流れを見ます。その学びを指導者や看護学校の先生を含めたカンファレンスで話し合います。

実習2日目から5日目

実習2日目から疾患や患者さんからの情報を16項目に分けて情報を整理し全体像を把握します。全体像を把握後問題点を挙げてその後看護計画を立案します。問題点があっているのか、看護計画があっているのかは指導者と看護学校の先生に確認しながら進めていきます。カンファレンスにて問題点や看護計画の発表を行い指導者が指導を行います。また受け持ち患者のバイタルサインや環境整備の見学実施、入浴見学、シーツ交換実施、リハビリ見学、検査見学などを行い受け持ち患者の学びを深めていきます。バイタルサインや環境整備は指導者の実施見学から学生の実施まで行います。

実習6日目から12日目

カンファレンスは最初はぎこちないですが実習日数が経つにつれてしっかりと進めることができ話し合いもできるようになります。一般病棟や地域包括ケア病棟は他職種との連携も必要となりますので病棟カンファレンスのも含めて他職種(ソーシャルワーカー・リハビリ・栄養士・薬剤師・医師・看護師)の連携も実際に見て学ぶことができます。また退院後の生活について入院中から話し合いを進めて決めていく様子だったり受け持ち看護師の役割や固定チーム制であることを学びスタッフみんなで協力しないと業務は行えないということを学ぶことができます。

固定チーム制とは:私の病院に関して言いますとチームがAとBに分かれています。チームの中にチームリーダーABチームの上に総リーダーがいてその上に管理者がいます。そのチームの中に受け持ち看護師がいてチームによって患者をしっかりと観察することができます。

 

他職種連携

指導者が思う看護学生に学んでほしいこと

私は5年実習指導者をしています。その中で成人看護学実習も担当しました。その中で学んでほしいことは

  • 体調管理
  • 実習態度
  • 積極的に実習に取り組む
  • 報告・連絡・相談をきちんと行う
  • 学生同士で協力してカンファレンスも進める
  • 病棟の仕組みとして他職種連携して患者さんに関わり退院していただくことが大切になること
この中の内容は基礎看護学実習と変わりはありませんがとても大切な内容です。長い間実習に取り組むことはメンタル低下も多くなることと思いますがまずは病棟で実習ができていることを喜んで毎日きてほしいと思います。

最後に

今回は成人看護学実習Ⅰについて書きましたが、実習内容は基礎Ⅱと変わりなく、目標に違いがあり患者選定も違います。何を学んでほしいのかを考えて実習に臨むことで基礎Ⅱとは違った学びがあると思います。基礎Ⅱからあらゆる実習が増えると思われますが体調管理をしっかり行い積極的に臨んでほしいです。今まで作った基礎Ⅰ、Ⅱまた看護師の1日を載せています。見ていただけると喜びます。

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