ナース指導者が教える カルテからの情報収集を短時間で行うコツ
看護師は情報収集は患者さんを知るためにはとても必要で毎日行ってることです。情報を知っておかないと患者さんのケアを行うことができません。今回はカルテからの情報を収集するコツをお知らせしたいと思います。
看護師にとっての情報とは
看護師にとっての情報とはカルテからの情報となり、患者さんのアナムネ聴取で収集された情報、疾患や医師の情報、毎日の経過を知るための情報があります。例としては
- 患者さんの家族情報
- 疾患(既往歴、現病歴)
- 患者さんのADL,アレルギー、感染症の有無
- ご家族からの要望
- 内服・点滴
- 検査情報
- 医師記録
- 看護師情報
- 他職種情報
上記のような内容ですがどれも入院日が経つにつれて情報量を多くなり、それを日々収集します。私の病院では電子カルテからの収集となりますが、以前は紙カルテからの情報を収集していました。どのような情報か一つずつお伝えします。
患者さんの家族情報
患者さんの家族情報とは家族構成、連絡先1、2まで確認し、連絡先1の方がキーパーソンとなり患者さんの責任者となります。独居や家族トラブルや老老介護にて後見人を立てていることもありますので、患者さんの状態が悪い時などは、キーパーソンさんの住所や連絡先もきちんと再確認しておきます。
疾患(既往歴、現病歴)
既往歴とは今まで診断された疾患であり、糖尿病や転倒歴があるか、認知症があるか、ステントなどを入れていないかなど検査をする上でも必要な情報を収集します。現病歴とは今診断された疾患の原因などです。なぜ入院したのかを知る上ではとても必要です。
患者さんのADL,アレルギー、感染症の有無
患者さんのADL(日常生活動作)についてはどのぐらいの動きができるのかを知ることができます。アレルギーについては薬物アレルギーや食物アレルギーなどの情報を知ることでトラブルを避けることが必要となります。今はアルコール綿花でもアレルギーがある方もいるのでしっかりとした確認は必要となります。感染症についても入院時の採血にて検査を行うのでその際に確認をします。感染症に対しては病院の感染マニュアルにそって対応します。
ご家族からの要望
ご家族からの要望については面会制限がある方もいますし、患者さんへの対応の仕方、テレビ使用するか、洗濯物が病院出しか、持ち帰りか、洗濯物で着替えがない場合に病衣を使用していいか、オムツを使用していいかなどお金が関わることについてはきちんと確認を行います。お金に関するものは病院ではお預かりはできないことも了承を得ます。入院後に入院診療計画書を医療関係者にて作るのですが1週間以内に説明しご家族のサインをいただかないといけないため来院予定や病状説明の予定も確認必要です。
内服・点滴
内服、点滴については現時点で内服している薬、点滴、抗菌剤などを確認し実施します。いつから内服や抗菌剤が開始となっているのかも確認します。どの抗菌剤がいつから中止、開始になっているかも病態につなげて情報収集します。
検査情報
医師が指示を出した検査内容についても確認します。検査結果によって経過に差が出ますので医師の記録から検査の記録を参照することもあります。現在はCTやレントゲンなどは電子カルテなどで読影後にレポートが記載されているのでそれを参照できます。
医師記録
現病歴から今後の治療方針、点滴や内服、抗菌剤の使用の流れも確認することができます。ご家族との病状説明の内容も医師の記録も参照し今後の治療の方向性を知ることができます。医師から看護指示が出た場合の内容も医師記録に書かれていることもあります。医師の記録を見て今どのような治療をされているのか、今後どのように進めて退院を目指すのかを知ることができます。また退院について退院後の生活なども医師が細かく書いている場合もありますので参照します。
看護師情報
看護師情報は、病院によって記録の行い方は様々だと思います。SOAPで記録されていたり経過記録として記録したり、看護サマリー、退院サマリーなど前病院からの情報も確認します。バイタルサイン値や尿、便の回数も必要です。記録はスタッフ全員が確認しますので病棟で記録方法はマニュアルがあり統一されています。誰が見てもわかりやすい記録を残すようにしています。略語も使っていいものといけないものがありますので、注意して情報収集します。略語の意味も知っておくといいかと思います。
他職種情報
患者さんには退院にむけて他職種がたくさん関わります。その際の記録はとても必要です。医師や看護師の記録だけで確認できない場合は様々な職種の記録を参照します。例として栄養士、薬剤師、ソーシャルワーカー、リハビリなどです。ソーシャルワーカーはご家族との対応内容や退院後の施設やケアマネージャーとの会話の内容を記録していることがありますので情報を取ることが多いです。
情報収集のコツ
数名の患者さんのカルテからの情報はとても多く全てを出勤してから業務開始までに収集し終わることはできません。そのためピックアップにて収集します。
- 現病歴
- 昨夜の日々の記録
- 医師の記録
私の病棟は昨夜の患者情報をまとめて夜勤者が用紙に記載してくれているのでそれを申し送り表として使っています。詳しい情報はカルテで見直すようして対応しています。何日も同じ部屋を受け持ったり、入院期間が長くなると情報も覚えてくるので知らない情報のみ収集するようにしています。
最後に
今回は情報収集のコツについて書きました。情報収集も時間との勝負なため、短時間で行えるようにコツを掴んで行う必要があります。毎日情報収集をすることで患者情報を覚えてきます。わからない時や新たな情報はカルテを見直して収集できるようにしていきましょう。見ていただきありがとうございました。
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