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ナース指導者が教える 新人看護師へ向けて培養検査の採取方法を教えます

ナース指導者が教える 新人看護師へ向けて培養検査の採取方法を教えます

今回は新人指導で教える培養検査の採取方法について伝えたいと思います。各病院でスピッツの使用方法に違いがあるとは思いますが私の病院での私が気をつけていることや血液培養採取のコツも載せています。培養検査の基本と検査の種類、喀痰培養、尿培養、便培養について載せていますのでよかったら参考にしてください。

培養検査とは

培養検査とは患者さんが持つ菌を増殖させ、病気の原因となっている菌の種類や効果のある薬を調べる検査です。通常患者さんから採取した検体(喀痰、尿、便など)に含まれる細菌はごく少量なので種類を特定することが困難な場合があります。そこであえて細菌を増やして特定しやすい状態にするのが培養検査です。

引用文献:広島共立病院検査科サイト

我が病棟でよく行う検査

  1. 血液培養:血液を清潔操作にて採取
  2. 喀痰培養:喀痰を清潔操作にて採取
  3. 尿培養:尿を清潔操作にて採取
  4. 便培養:便を採取

血液培養

血液培養を行うことにより本来無菌である血液の中に菌が存在することを証明する。また検出された菌の薬剤感受性検査を行うことにより正しい抗菌薬を選択することができます。

準備するもの

  • 70%アルコール綿(イソプロパノールまたはエタノール)
  • 1〜2%ヨードチンキあるいは10%ポビドンヨード液
  • ディスポシリンジ、注射針
  • 血培ボトル(蓋が赤と青2つあります)嫌気ボトルと好気ボトル
    血培ボトル
  • 嫌気ボトル:酸素が嫌いな細菌用(緑膿菌、腸内細菌など)
  • 好気ボトル:酸素が好きな細菌用(ブドウ球菌など)

採血前に注意すること

  • 患者が過去にヨードやアルコールに対して過敏反応を示したことがないかを確認する。
  • 培養ボトルの使用期限を確認する。
  • 採血手技者は滅菌手袋使用、なければ通常の手袋を装着後、指にヨードで消毒し、患者の穿刺部位もヨードで消毒し穿刺する。

採血時に注意すること

  • 雑菌混入を防ぐため、無菌操作を行う。
  • 滅菌手袋を使用しないとき、手袋装着後指をヨードで消毒し、患者の穿刺部をヨードで消毒後、穿刺部を触らない。(駆血帯は先に巻き、穿刺部を確認しておく)
  • 採血後注射針を抜去する際、抜去後に穿刺部位をアルコール綿で圧迫止血する。
  • 複数の検体を採取するとき、例えば2セット採取する場合は穿刺の場所を変える。
血液を入れる順番は①嫌気②好気です。1本の注射器で20ml程度採血にて血液採取し採血後1本目のボトルに血液を入れる場合に注射器を下に向けてボトルに入れるため空気が入りにくく、2本目のボトルは残りの血液を入れるため空気が入りやすいためです。(1ボトル8〜10ml血液を入れます)

採血後に注意すること

  • 培養ボトルには患者名、採取日時、時間、穿刺部位を記入する。
  • 検体採取後は速やかに検査室に提出する。やもえず保管する場合は35℃または室温で保存する。
病院によってやり方は様々だとは思いますので各病棟のマニュアルを再度確認してください。
参考サイト:看護roo

ナース指導者が教える血液培養採取のコツ

  1. まずは血管探しですが主治医は2セット出すことが多いので2箇所穿刺部位を決めます。
  2. ボトルはキャップを外し赤の蓋のボトルから注入することを確認して、アルコール綿でボトルの穿刺部を消毒します。
  3. 私は1つ目は上肢の正中静脈か手背、2つ目は下肢です。点滴している以外の場所を探します。(点滴している手足側はしてはいけません。)
  4. 滅菌手袋をつかう病院も多いと思いますが私の病院は手袋にヨードで消毒し、患者も穿刺部位にヨードで消毒。駆血帯はその前に使用します。
  5. アルコール綿やテープ、お針箱も前もって準備しておきます。
  6. 20mlのシリンジで採血後、赤の蓋のボトルから血液を注入し、8〜10ml入れます。(ボトル専用の注入用穿刺用キャップがある病棟はそれを使用します)次は青の蓋のボトルに注入し終了。
  7. スタッフ2名で行うとスムーズに時間短縮で行えます。
患者さんが動く場合もあるため安全に行いましょう。

喀痰培養

  • 喀痰培養は培養ケース(蓋つきのものと吸引して行うもの)があります。
  • 蓋つきは患者さんに理解力があり、自己排痰できる方に使用します。唾液ではなく痰を出していただきます。
  • 吸引でしか採取できない場合は滅菌の吸引チューブとチューブ付きケースを使用します。

人間

吸引は滅菌操作にて行います。うえに痰培養容器をイメージできるように書いていますので参考にしてください。
当日提出できるものはすぐ提出し、休日に採取したものは冷蔵保管をして週明けに提出します。

尿培養

尿培養は検尿のスピッツとは違い別のものを使用します。これも病院によって違いがあると思います。私の病院では検尿スピッツは黄色い蓋のスピッツで尿培養は透明スピッツです。

導尿で採取する場合とフォーリーカテーテル挿入中の患者さんはフォーリーカテーテルの採取口から滅菌操作にてシリンジにて採取します。

導尿についてやフォーリーカテーテルについては別ブログにて書いているので参考にしてください。
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便培養

便培養は病院によって採取する容器は違いがあると思います。これはオムツ交換時やポータブルトイレ使用にて採取します。清潔操作というか採取する部分に触らないようにして採取し、そのまま検査へ提出します。便の培養は下痢が続くときや便に酸臭がある場合に主治医指示にて採取する場合が多いです。これでCD陽性と出てしまうと感染することもあるので取り扱いには注意します。

CDとは:クロストリジウム・ディフィシル感染症といい、接触予防策対応で、便の取り扱い注意。トイレは個別の方がいい。バンコマイシン内服治療開始となる。私の病院では隔離対応となります。次亜塩素酸ナトリウム0.1%(1000PPM)〜0.5%(5000PPM)の使用が勧められている。バンコマイシン内服終了後下痢がなくなり2.3日後に隔離解除になる場合もある。

最後に

培養検査は病院では必ずと言っていいほど必要な検査です。時に発熱が続いたり、原因がわからない時に必要何検査であるのでスムーズに採取し検査課へ提出する必要があります。採取方法も覚えておかないときちんとした検査が行えず、患者さんにも負担をかけてしまいます。感染力のある菌の採取も行うこともあるので清潔操作もきちんと理解し行うことが必要です。病棟での清潔操作は学習した上で理解し、何度も実践して身につけていく必要があります。このブログだけでなく再度専門的に技術を理解したり、病院のマニュアルを見て学んでいただけると深く理解できると思います。

見ていただきありがとうございました。別のブログにて採血方法も載せているのでよかったら見てください。

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培養検査
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