現役ナース指導者が教える 基礎看護学実習で緊張、不安を解決するコツ
基礎看護学実習とは
看護師の学校に行くと最初に看護概論を学び、「看護とは」という内容を勉強します。また解剖学などの医療の基礎を学び、高齢者の特徴も学びその後基礎看護学実習となります。基礎看護学実習は1.2があり基礎1では1人の患者を受け持ち、病院の仕組みとコミュニケーション方法を学びます。基礎2ではコミュニケーション方法と看護過程を学び、実践して情報から全体像を考え、看護問題、看護計画を立案し、実践、評価を行います。その中で初めての実習でもあり必ず、緊張や不安を生じます。看護師の忙しさや初めて会う患者との関わりを通じてコミュニケーションはしないといけないけど、関係性を築くことができるのか看護師は怖くないか不安なまま実習が開始となります。
基礎看護学実習での緊張とは何があるか
- 初めて病院・病棟に行くこと
- 病院の雰囲気
- 看護師のバタバタ感
- 人見知り
- 初めて会う患者
これらのことが挙げられます。初めての場所に行くと誰でも緊張はします。私も緊張する方なのですが何日も実習に行くたびに少しずつ慣れてきます。それを期待しましょう。
基礎看護学実習での不安とは何があるか
- 看護師は怖くないか
- 実習は無事終わるか
- おなかが痛くならないか
- 朝起きれるか
- カンファレンスはどのような感じか
- 患者さんは怖くないか
- 患者さんは受け入れてくれるか
- バイタルサイン測定きちんと行えるか
- 環境整備はきちんとできるか
- 看護師さんにきちんと報告・連絡・相談はできるか
- 実習メンバーのリーダーになってしまったんだがメンバーは協力してくれるか
一つずつ不安を解決します
不安の項目一つずつ現役ナース指導者、実習指導をしている私が現状をお知らせして解決してみます。
看護師は怖くないか
看護師は性格、経験、男女、忙しさもそれぞれで看護観もバラバラ、忙しさの中態度に出てしまう看護師もいるのが現状です。怖くないかといえば学生に対して怒ることは滅多にないと思いますが忙しい態度で接すると怖さを感じる人もいると思います。今の看護師は自分の経験もあり優しく教えるようになっています。怒っても人は育たないと新人指導を通しても勉強しています。その中での実習なのでみんなで育てていこうとしていますし、もし対応の悪い看護師がいても実習指導者がフォローに入るので安心して欲しいと思います。何かあれば指導者や教員へ伝えて欲しいと思います。
実習は無事終わるか
実習は基礎1は1週間程度で基礎2は2週間程度の期間です。学生にとってみれば長く感じると思います。病棟での挨拶から始まり、受け持ち患者さんへの挨拶、担当看護師への挨拶、バイタルサインの測定の見学、実施、担当看護師への報告、入浴介助、清潔援助の見学の確認、入浴やケア係への挨拶、環境整備の見学、実施、昼休憩の挨拶、カンファレンス、実習終了となります。きちんと決められたことを行えば終わります。
おなかが痛くならないか
トイレはいけます。トイレへ行くタイミングは報告はいらないですがもしかしたら病院によって違いがあるかもしれません。腹部症状など体調が悪くなる学生もいますのでその際は教員や指導者へ報告して対応できますので無理はしないことが大切です。トイレの場所は初日のオリエンテーションで説明を必ず行なっています。
朝起きれるか
寝坊する人はあまりいない印象ですが、記録は寝てしまいできなかったと病棟に来る前に学校で書いて実習に臨む学生はいました。実習記録の量が多く朝病棟でも確認する場合があるので記録が書けるようになっていることが必須です。記録内容も的を得ている内容にしないと教員などに指導を受ける場合もあるので実習前に記録は書けるようになっておきましょう。
カンファレンスはどのような感じか
実習カンファレンスは基本毎日教員と実習指導者が入り行われます。カンファレンスは一番大事と言っても過言ではないのです。学生それぞれ学んだことをきちんと発表し、他者の意見がどうか学生同士で討論できるようにして学びを深めることが大切です。基礎はまだ初めてですのでまずはきちんとカンファレンスの何について話し合うのかを理解した上で自分の意見がきちんと言えるようにしておきましょう。実習メンバーとどのようなカンファレンスにするのかも話しておくといいかと思います。司会者と書記を交代で行いますので役割も理解しておきましょう。
患者さんは怖くないか
基本患者さんの設定は実習指導者が設定しています。どんな患者さんが実習目標に合っているかも検討して快く承諾してくれる人を設定しているので安心して声をかけて欲しいと思います。初めて関わる学生なので患者さんも緊張していることが多いので、患者さんの気持ちや体調も考慮し関わるようにしていきましょう。ベッド周囲の環境調整やバイタルサイン測定も会話で関係性を持って関わるとやりやすいと思います。丁寧な学生ほど好まれます。
患者さんは受け入れてくれるか
先ほども書いたように受け入れてくれる患者さんを設定していますがもし途中で関係性が合わなくなっても指導者が対応しますのでその際は指導者へ報告してください。
バイタルサイン測定きちんと行えるか
バイタルサイン測定は緊張すると思いますが先に指導者や看護師の見学を行なって見守り実施しチェックを受けて合格した学生が1人で行えるようになります。自己学習をしたり学生同士で練習して患者さんへ実施するようにしましょう。患者さんも初めての学生で緊張しています。患者さんの体調や気持ちに注意して関わりましょう。正常値、異常値解していないと指摘受けます。バイタルサイン測定後測定値は受け持ち看護師や指導者や報告します。報告の仕方も練習しておきましょう。また疾患による観察点も勉強して答えられるようにしましょう。
環境整備はきちんとできるか
基礎実習では環境整備の仕方も実践します。環境整備、環境調整とは何か、患者さんは毎日ベッド上で生活しています。安全に清潔に過ごせるように環境整備しましょう。清潔な場所、不潔な場所も考え、清潔な場所から不潔な場所へ清掃をしていきましょう。私の病棟ではアルコール成分の環境クロスを使用しています。一度拭いた面のクロスの面を折って清潔面にして再度拭きます。ベッドのストッパーや安全のためのナースコール押せない方に使用するセンサーマットのスイッチ、室温、湿度など確認するところはたくさんあります。しっかり勉強して臨みましょう。患者さんのものを触るため声かけし了承を得てから行いましょう。
看護師さんにきちんと報告・連絡・相談はできるか
看護師への報告・連絡・相談はとても重要です。いつしたらいいのかタイミングも難しく困ることもあるかと思います。看護師はバタバタしており報告するタイミングを間違えると「今は無理」と言われることもあるかと思いますがそれでしていないと再度注意を受けます。受け持ち看護師や指導者が今何をしているのかを見ながらタイミングよく報告をしましょう。報告時に質問を受ける場合もあるかと思いますが、勉強してきちんと返答するようにしましょう。
実習メンバーのリーダーになってしまったんだがメンバーは協力してくれるか
実習はリーダーとメンバーがいます。リーダーはメンバーがきちんとできているか確認し、指導者からの伝達をメンバーへ伝え、教員からの伝達も伝え、実習がスムーズに行えるようにしていきます。実習カンファレンスも指導を受けたことを次はできるようにしないといけないためメンバーで話し合い、「こうしよう」と改善することが必要です。いくつか実習がありますがリーダーはみんなが行うようになっています。その際に困らないようにメンバーにも協力してもらうように話し合っておかないといけません。
緊張や不安を解決するコツ
基礎看護学実習で緊張や不安を解決するコツを教えます。実習は1人で行うのではなくメンバーがいることを念頭に、実習指導者も教員もいます。わからないことや不安があるときは必ず解決してくれますので1人で解決せず、みんなで話して解決するようにしましょう。
最後に
今回は基礎看護学実習での緊張、不安を解決するコツを載せました。私も実習経験がありますし、全ての看護師は実習で困った経験をしています。まずは学生同士で話してみること、その後教員や指導者へ相談してもいいかと思います。病院側も受け入れている以上いい実習にしてほしいと思っています。遠慮なく、学んで欲しいと思っていますので頑張ってくださいね。
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