ナース指導者が基礎看護学実習で教える患者に状態にあった看護問題と看護計画立案のコツ
基礎看護学実習は1と2があり基礎看護学実習1ではコミュニケーションや病棟の仕組みを学びます。基礎看護学実習2では患者情報から情報を整理しアセスメント、看護問題、看護計画立案を行います。患者情報からアセスメントし看護問題、看護計画立案し実践、評価を行うことを学び、看護師としての基礎を学びます。今回はどうのようにしたら患者にあった看護計画を立案できるかをお伝えしたいと思います。
患者の状態にあった看護問題の立案方法
患者の情報をまとめる
患者情報とは現病歴、診断名、既往歴、ADL,家族構成、生活状況(独居、施設入所中)、治療方法、カルテ情報を把握しまとめます。看護学実習の間はまとめる記録物があるためその項目にそって情報を整理します。
患者の情報の中での問題点をピックアップします
患者情報を項目にそってまとめて情報を整理した後、アセスメントを行い、問題点を立案します。アセスメントとは情報をもとに客観的に評価するということですが、きちんとアセスメントを行えないと問題点も理解することができません。看護師はきちんとしたアセスメント力を実習の間に勉強してつけていきます。問題点とは例)糖尿病がありインスリン自己注射していたが自己管理できない。家族も協力できない状況。この内容にいくつか付属した生活状況や日常生活動作(ADL)の情報や患者本人、家族の疾患に対する考え方など色々な情報が追加されます。情報の中から問題点をピックアップします。
問題点のピックアップ方法
問題点は患者の疾患、治療内容、入院中の生活状況で必要な問題と改善点をアセスメントして問題点を上げていきます。例)糖尿病がありインスリン自己注射していたが自己管理できない、家族も協力できない、転倒歴もある。これを例とすると、問題1、糖尿病の疾患から血糖コントロールができていない。問題2、インスリンの自己注射が必要だが家族協力も必要で指導が必要。問題3、転倒歴がある。このような問題点が上がります。この中それぞれに対して看護計画を立案します。
看護計画立案の方法
例)糖尿病がありインスリン自己注射していたが自己管理できない、家族も協力できない、転倒歴もある。これを例とすると、問題1、糖尿病の疾患から血糖コントロールができていない。問題2、インスリンの自己注射が必要だが家族協力も必要で指導が必要。問題3、転倒歴がある。先ほどの例から看護計画を立案します。
- 問題点1血糖コントロールができていない
- 問題点2インスリンの自己注射ができない
- 問題点3転倒歴がある
これらの3つの問題点から看護目標、看護計画を立てます。看護目標は長期(1ヶ月)短期(1から2週間)期間で立てます。看護計画はOP(観察計画)TP(援助計画)EP(教育計画)をそれぞれ具体的に立てます。
看護目標
- 問題1(長期目標)血糖値が安定し退院できる(短期目標)血糖値が安定する
- 問題2(長期目標)インスリン自己注射、もしくは家族協力で注射が行える(短期目標)パンフレットで指導し病気の理解、インスリン方法が理解できる
- 問題3(長期目標)転倒しない(短期目標)センサーマット使用し安全に過ごすことができる
看護計画
例)から看護計画を立案してみます。
問題1(長期目標)血糖値が安定し退院できる(短期目標)血糖値が安定する
OP)バイタルサイン測定、血糖値、採血検査値、内服の内容(記入)後の症状の有無
TP)4回/日血糖測定、1回/週血糖7検、血糖内服、点滴の内容
EP)低血糖症状、高血糖症状が出たらナースコールもしくは看護師に伝えるように指導する
問題2(長期目標)インスリン自己注射、もしくは家族協力で注射が行える(短期目標)パンフレットで指導し病気の理解、インスリン方法が理解できる
OP)バイタルサイン、血糖値、採血検査値
TP)4回/日血糖測定、1回/週血糖7検、血糖内服、点滴の内容、インスリンの内容、自己注射もしくは看護師で行っている方法を詳しく記載
EP)パンプレット使用し患者本人、家族に指導を行う。指導方法を詳しく記載
問題3(長期目標)転倒しない(短期目標)センサーマット使用し安全に過ごすことができる
OP)バイタルサイン、夜間の睡眠状況、内服後の観察、日中の過ごし方記載
TP)センサーマットや安全対策方法記載
EP)患者本人への説明方法を記載
患者にあった看護問題・看護計画の立案のコツ
- 患者にあった看護問題とは何か理解できること
- 患者情報がいくつもある中で情報をまとめる力を持つ
- 情報からアセスメントし問題をピックアップできる
- 長期目標と短期目標は患者主体の目標を立てる
- 看護計画は具体的に個別性を持った内容
- スタッフ誰がみてもわかる内容にしておく
患者にあった看護問題とは何か理解できること
患者の情報の中で看護問題は何かがわかるようになっておく。そのためには情報を理解できる力が必要なため基本的な知識を持つために自己学習をしましょう。
患者情報がいくつもある中で情報をまとめる力を持つ
情報はいくつもありその中で何が必要かを理解しまとめる力をつけましょう。記録としてまとめる力も必要です。
情報からアセスメントし問題をピックアップできる
情報をまとめた後にアセスメントして(評価して)問題をいくつか挙げましょう。その中で優先順位をつけて#2つまで立てる。実習では1つから2つ立ててもらっています。
長期目標と短期目標は患者主体の目標を立てる
長期目標と短期目標は期間があり長期は1ヶ月の中での目標、短期目標は1から2週間で達成できる目標を立てます。看護師の目標になりがちではありますが患者主体の目標を立てるようにしましょう。
看護計画は具体的に個別性を持った内容
看護計画は具体的な内容にして個別性を持った内容にする。内容も濃いほど良くできた看護計画と指導者に褒められます。
スタッフ誰がみてもわかる内容にしておく
看護計画はスタッフ誰もがみてわかる内容でなくてはいけません。また今の現状に合うように内容を変更していきましょう。
看護問題・看護計画なぜ必要か
看護問題や看護計画を立てることはとても難しいと感じます。なぜ必要なのかいくつか考えました。現状を把握し患者の治療と看護を行う。スタッフに情報を共有し目標に向かって看護していく。早期治療・早期退院を目指していく。他職種にも理解できる内容にしておき情報を共有し退院を目指す。超高齢社会となってり早期治療・早期退院が目指されています。病院がひっ迫しないようにスタッフの協力が必要なのです。
最後に
今回は患者にあった看護問題・看護計画を立てるコツを書きました。基礎看護学実習では初めて行うことで難しいと感じる実習生もいます。基本であるためしっかり学んでアセスメント力や計画を立案する力をつけてほしいと思います。よろしければ参考にしてください。








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