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ナース指導者から学ぶ 新人看護師が気になる採血のコツと上手になる方法教えます

ナース指導者から学ぶ 新人看護師が気になる採血のコツと上手になる方法教えます

ナースが行う業務は色々ありますが、新人教育の中でもコツが必要なものは採血、点滴、注射があります。コツの前に知識も十分に必要です。血管に針を刺し行うため患者さんに危険が及ぶ可能性もあることは念頭に置いておかないといけません。今回は採血のコツについて私の経験も含めて伝えたいと思います。

採血とは

血管から血液を採取する注射手技のことであり、静脈血採血、動脈血採血、毛細血管採血の3つがあります。臨床では一般的に静脈血採血のことを採血といいます。

採血の準備(病棟)

  • 指示の確認(医師の指示に従い行う)
  • アルコール綿(アルコールにアレルギーがある方は別の消毒綿を使用)
  • 携帯用針すて箱
  • 駆血帯
  • トレイ
  • サージカルテープ(皮膚の弱い患者に対してはテープも影響のないものを使用)
  • 真空採血管
  • 肘枕(体交枕やタオルで代用)
  • 手袋
  • シリンジ(10〜20ml)
  • 注射針または翼状針(22〜23G)
  • 真空管採血の場合、ホルダー付き翼状針
現在は針刺予防にて採血後針を引いたら閉じる仕組みのホルダー付き翼状針をつかうことも増えています。リキャップは禁止のため採血後蓋はせずお針箱にそのまま捨てます。
採血

採血の手順

  1. 医師の指示をみて患者の名前と真空管(スピッツの種類)を確認します。
  2. 手洗い後プラスチック手袋を行います。
  3. 本人確認のためスピッツのラベルと名前を確認します。(本人から名前を言える方は言っていただきます)
  4. 採血の準備として物品のセッティングをします。患者さんの近くにおき、使いやすい位置に準備します。
  5. 血管の選択は正中静脈を探しますが、ない場合はまっすぐで太い血管を探します。駆血帯を巻きその後探すこともあります。時間がかかる場合は一旦外してから再度血管を探します。血管に触れて走行、怒張の状態を確認し、決定ます。
  6. 消毒は広めに円を描くように消毒します。アルコール綿にアレルギーがないかも患者本人に確認し準備します。クロムヘキシジンはアルコール綿が使用できない場合に使用します。
  7. 消毒後乾いたことを確認し針先の刃面を上にして皮膚に対して15°程度の角度で刺入します。患者さんに手の痺れや強い痛みがないかを必ず確認します。針先から血管、血管腔に針を数ミリ進ませ血液の逆流が確認できたらシリンジでしている場合はシリンジを引き、ホルダー付き翼状針でしている場合は真空管を差し込みます。
  8. シリンジは強く引きすぎると針先に血管が吸い付いて乱流が生じ、血液の溶血が起こる可能性があるためゆっくり引きます。必要量の血液が取れたらスピッツをゆっくり混和し凝固を予防します。
  9. 必要な量の血液が取れたら駆血帯を外し抜針します。リキャップはしないため抜いたまま針箱に捨てたり、抜針時にストッパーでハリが引く翼状針もあるので自らの指に針を刺さないように抜針します。抜針後消毒綿で刺入部を押さえます。3〜5分程度圧迫します。
  10. 圧迫止血後は皮膚の状態を観察し終了します。

注意点

  • しびれの有無をきちんと確認する。
  • 圧迫止血後は消毒綿を外す。
  • 皮下出血の有無も確認する。
  • 乳がん手術後、シャントがある患者さんはその部位は禁止です。

採血のスピッツについて

採血スピッツの種類は病棟で使用する分としては生化学、凝固、血算、血糖の4種類です、針を刺入した直後の血液には凝固の原因となる微量の組織液が含まれているため、真空管採血の場合は影響の少ない生化学(血清)を最初に採血、その後は凝固、血算、血糖の順番となります。シリンジを使って分注する場合は凝固を避けるため抗凝固剤入りのスピッツから先に入れるようにします。翼状針を用いた場合、ルート内部の空気が採血管に入るのできちんとした量の採血量が必要な凝固検査に関しては2本目以降に採血しましょう。

採血スピッツの使用方法

参考サイト:看護roo 

血管の選び方について

点滴

採血には橈骨皮静脈、尺側皮静脈、肘正中皮静脈が使われます。肘窩部の採血では橈骨皮静脈がが安全と言われており肘窩部で採血できない場合は前腕、または手背の静脈を探しましょう。上腕が困難な場合は足背静脈などを探します。

採血を避ける部位は肘窩部の内側の尺側皮静脈は付近を比較的太い神経が走っているため穿刺を避けます。手関節部の橈骨皮静脈も橈骨神経浅枝が近く、正しく穿刺しても神経損傷をきたす可能性があるので穿刺を避けます。

採血のコツ

私が行っている採血のことを伝えたいと思います。

  • 血管選びについては肘正中皮静脈から採血することが多い。
  • 血管を探したら皮膚を血管にそって伸展させる
  • 血管を突き破らないように採血針を血管に進ませる(浮かせるように進ませると血管を突き破りにくい)
  • どうしても取れない場合は手背、前腕、上腕と場所を変えて採血する。
  • 2、3回採血しても取れない場合は別のスタッフヘ変わる
  • 浮腫があり高齢者で毛細血管のような血管しかない方に対してはスタッフに変わっても採血できないこともあります。その時は主治医に動脈採血をしてもらう。
  • 暴れる患者さんもいますのでその時もスタッフ2名で行う。
  • 血液培養で採血する場合は消毒方法も違います。採血する量も違いますので採血の用途にあった採血量を採取する。
新人看護師は血管探しも先輩と一緒に探して確認してもらうことも必要と思いますので遠慮せず確認したらいいと思います。

採血が上手になるには

  • 血管を触りこれが血管だあるという感覚を学ぶこと。
  • 肘正中皮静脈にどの角度で針を挿入するのか、そのくらいの長さを挿入するのかを血管を長さを触りイメージして挿入する。
  • 血管に針を挿入した感覚を覚えておくためにも何度も経験させてもらう。
  • 他のスタッフの採血の仕方を見て皮膚の伸ばした方、針の挿入角度を学ぶ。
  • 駆血帯は外し忘れるので採血が取れたら必ず外す、スピッツの挿入も片手て行うため先に近くに準備しておきすぐ行えるようにします。スピッツを挿入口に軽く入れてすぐできるようにしておくこともできます。

最後に

今回は採血についてのコツと上手になるにはどうしたらいいかを書いています。新人研修でも採血や、点滴、注射などあり、病棟でも先輩看護師の指導のもと実践していきますので心配は少ないかと思います。少しずつ実践で慣れてコツを掴んでいくこともできます。看護師として実践して頑張ってください。よかったら、点滴、輸血、注射についても書いていますので見ていただき参考にしていただくと嬉しいです。

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