ナース指導者が教える 基礎看護学実習Ⅱで学んでほしいこと
前回基礎看護学実習Ⅰについての学んでほしいことを書きましたが今回は基礎看護学実習Ⅱについての学んでほしいことを書きたいと思います。私は地域包括病棟に勤務しており、5年ほど4年制の看護専門学校の実習指導をしているナース指導者です。よかったら参考にしてください。
看護専門学校の実習とは
私が指導している看護専門学校は4年制であり、2023年度は1、2年生は新カリキュラムで1年生から基礎看護学実習が始まりました。その前に看護概論の学習で病棟見学がありましたが実際の実習は基礎Ⅰから始まりました。2年生から基礎Ⅱ、成人Ⅰ、老年Ⅰ、3年生では旧カリキュラムであったので成人Ⅰ、老年Ⅰ、4年生では統合実習、成人Ⅱ、緩和病棟実習がありました。4年生は他の小児科、母性、保育園や精神科、訪問看護などその他の施設への実習があります。
基礎看護学実習Ⅱとは
実習の概要・目的
基礎看護学実習Ⅱとは既習の知識・技術を統合し対象の個別性を考慮した看護を実践するための方法を学ぶ。さらに看護の実践を通して看護の責務と態度について考える機会とする。この実習は看護に共通する方法や技術を学習することを目的とし、続いて行われる領域別看護実習や継続看護実習へ展開させる基礎となる。
私の病院での基礎看護学実習Ⅱの内容
- 実習期間10から12日間、2週間弱の期間
- 受け持ち1人を受け持つ(コミュニケーションのとれる患者)
- カルテからの16項目の情報収集
- 情報から全体像把握し問題点を考える
- 問題点から看護計画を立案する
- 看護計画から実践していく
- 受け持ち患者のバイタルサイン、検査見学、入浴見学、更衣見学実施、シーツ交換実施、環境整備見学実施、食事の配膳
- 実践後の評価
- カンファレンス
実習1日目
実習オリエンテーションを行い、病棟の流れを説明します。その後受け持ち患者さんを決定します。患者さんはコミュニケーションの取れる患者を設定しています。実習目標に沿って患者さんは設定していますので自分が勉強したい疾患を持つ患者さんを学生同士で選び決定します。病棟の案内や実習に関わるスタッフ紹介も行われます。病棟の安全対策や感染対策も理解することが必要です。患者さんの情報収集が終了したら患者さんを紹介され、その後コミュニケーションによりカルテからとることのできない情報を収集します。
実習2日目
実習2日目は1日目に情報の整理をして足りない情報を取ります。全体像を発表に向けて情報の16項目を整理します。また受け持ちのバイタルサイン、環境整備の見学、実施を行っていきます。まだ基礎であるので正常値、異常値の確認を行い患者さんに合わせた観察方法を指導します。環境整備も個別性に合わせて行います。
実習3〜5日目
受け持ち患者の全体像把握、発表、看護計画立案まで行います。カンファレンスは初日はぎこちない様子でありましたが毎日行うにつれてきちんと議題に対して話し合うことができるようになります。この頃になると体調不良の学生も出てきますので体調管理の指導も必要となります。実習記録も間に合わない学生や看護計画を立てることができない学生も少しずつ出てくることもあります。
実習6〜12日
2週間近く実習となり後半は看護計画の実践となります。指導計画に伴いパンフレットを作ったり、転倒・転落の看護計画に合わせて観察や指導を行っていきます。カンファレンスも学生グループで話し合いどのように運営していくかを考えるようになります。これも毎日の学生指導に伴い改善された内容となります。患者さんとの関わりもしっかり行うことができコミュニケーションも上手になります。
学んでほしいこと
今回は基礎看護学実習Ⅱなり、最初の基礎Ⅰと違い病棟の雰囲気も少しわかった段階での実習となります。実習期間が少し長くなっていますので患者さんに関わる期間も長くなります。基礎Ⅰでは緊張したと思いますので今回は少し実習の流れも理解でき、患者さんや指導者へ積極的に関わってほしいと思います。細かく言うと
- バイタルサインの正常、異常値、報告の仕方
- 環境整備での室温、湿度、患者の個別性に合わせて行う
- 情報収集での全体像把握
- 看護問題点の把握
- 問題点から看護計画立案
- 報告・連絡・相談を積極的に行う
- 実習の積極性(検査の見学、リハビリの見学)
- 実習期間の体調管理
- 受け持ち患者さんとのコミュニケーションや関わりをしっかりと行い、関係性を築く
- 学んだことをカンファレンスにてしっかり話し合う(学生グループでの協力はできているか)
- 実習態度
これらのことをしっかり学んで領域別に繋げてほしいと思います。
最後に
毎年学生指導をしていますが毎年看護学生は頑張って12日間を乗り越えています。やりきって最後の日に挨拶する際はやり遂げた表情をしています。実習は緊張すると思いますがしっかりやって自分の力をつけてほしいと思います。病院や看護大学や専門学校によってやり方に違いがあると思いますので違いはご了承ください。見ていただきありがとうございました。
よかったら別のブログもありますので参考にしてください。
また看護計画立案方法や実習カンファレンスについて看護のやりがいについてブログを作っていますのでよかったらみてください。