ナース指導者が教える コロナ第5類の現状と病棟での感染広がりを防止する方法
今回は2024年7月我が病棟で広がりつつあるコロナの現状と病棟での感染対策を伝えたいと思います。よかったら参考にしてください。
以前のコロナの状況
COVID-19はコロナと呼ばれ以前は感染力莫大で誰もがマスクを行い、学校や仕事場も在宅ワークで対応していました。感染すると長期間自宅待機となり、食事の買い物もできず、宅配業者が流行りました。病棟でもコロナ受け入れ病棟ができ、そこに感染力の強いコロナに罹患した患者が入院していました。高齢者が感染すると死亡するケースも多かったです。病棟がアウトブレイクを起こし2週間近く自宅待機しないといけない状況もありました。世界全体がコロナに怯えていたように感じます。
現在のコロナの状況
現在のコロナの状況は元々新型コロナウイルス感染症は2類となっていましたが令和5年5月8日から「5類感染症」になりました。病棟では看護師はマスクをして業務をしていますが、時折コロナ患者が入院となり、個室隔離を開始して1週間患者は部屋の中で過ごします。その間はご家族は面会はできない状況となります。病棟での面会状況は以前は面会自体ができておらず、リモート面会や電話での面会を行っていましたが現在は午後からの決まった時間、私の病棟は13:30から16:30まで15分間の面会となっています。やはりコロナは5類でも感染します。インフルエンザになることもあるのでコロナとインフルエンザのどちらも検査できるようになっています。
参考サイト:厚生労働省
病棟でのコロナ患者の受け入れの様子
病棟にコロナ感染患者が来られた際に何を準備するのか、下の図に書いています。個室隔離にする際に準備する物品があるので先に準備して患者を受け入れます。自分も手袋、ガウン、帽子、N95マスク、重ねてサージカルマスク、フェイスシールドを準備して部屋に入り患者さんの観察を行います。
患者さんのケアをする際の注意点
患者さんをケアする際の注意点は咳をしている患者はいますが必ずマスクをつけてもらう。熱が高い時は解熱剤を使います。水分が飲めないときは主治医へ報告し点滴を使用します。内服で治療をするのか、点滴で治療をするのかは患者の状況によって違います。まずは自分がうつらないように準備するのと、患者さんが安楽になるようにケアを行います。また認知症患者もいますので個室隔離になると部屋から出れないことで不穏や夜間せん妄になります。必要時は医師に報告し夜間入眠できるように内服を行います。ナースコールはなるけれどスタッフも装備して個室へ入るので対応が遅れる場合があります。そのため早め早めの対応で業務を行います。何度も部屋に入り自分が感染しないように入った際にまとめてできる業務は行います。忘れ物がある際は外のスタッフへ依頼します。 部屋から出る際はきちんと装備しているガウンや手袋、帽子、フェイスシールドを清潔操作で外し最後は環境クロス(アルコール)でフェイスシールドをふき、手を洗って外に出ます。私の病棟ではN95マスクとサージカルマスクを重ねてコロナ患者さんに対応してますが退室時はサージカルマスクを外してN95マスクのみで出て外で新しいサージカルマスクを重ねて装着します。外す際も感染面を触らないように外すたびに手指消毒を行います。
2024年7月コロナの現状
今までコロナの株が変わり流行するたびに蔓延してきました。また今2024年7月となっていますが今も私の病棟ではコロナ患者の受け入れから他の患者にうつる傾向にあります。これは面会家族や看護師、リハビリスタッフからの感染も考えられます。病棟では移りだすと止まらなくなりあっという間に増えていく現状です。まずはスタッフが移さないように手洗い、手指消毒の徹底を行うことが必要だと思います。また感染し始めるとスタッフまで感染し業務に支障をきたします。勤務交代の連打にて日勤後に深夜したり厳しい状況になります。今回もスタッフも感染し厳しい状況となりました。
病棟での感染の広がりを防止する方法
まずは状況を判断し対策を練る、決まっている感染対策をスタッフ間で共有するなどみんなが同じ気持ちで感染対策をしていくことが大切だと思います。病院の感染対策の医師や看護師に状況を見てもらい対策を行います。個室隔離の患者が増えていくとどの部屋にどの患者を入れるか、チームもあり別のチームまで感染させないように同じチーム内に患者を隔離したりと対策していきます。スタッフの手洗いや手指消毒の方法の統一や休憩室での会話は避ける、同じ場所に多くのスタッフがいないようにするなど以前していたコロナ対策を再度スタッフに情報共有していきます。感染ゴミの捨て方や物品の消毒の仕方まで共有します。新しいスタッフにはわからないことも多いため何度も勉強会をして理解してもらいます。
最後に
今回はどうしても今の病棟の現状を知ってもらいたいと思い、作りました。今回は私の病院での例ですが病院によってやり方に多少違いがあると思います。一昨年大学病院で感染の研修で感染の基礎から対策まで勉強しました。各病院からも来られていて、実際の現場で情報を共有しています。知識を得ることでどのようにしたら対策になるのかを1から学ぶことができました。実際自分の病院や病棟がコロナになったら自分は動けるのか、患者さんを守れるのか今は5類となったため以前のような命の危機は少なくなりましたが今回病棟がコロナが蔓延したことで改めて感染対策の必要性、難しさを学びました。よかったら参考にしていただけると嬉しいです。見ていただきありがとうございました。
以前作りました感染のブログを載せています。よかったら参考にしてください。
病棟で使う、白いマスクとポーチを載せています。こちらから購入していただけると喜びます。よろしくお願いします。
|
|