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ナース指導者が教える 超高齢化社会での退院支援看護師の役割と必要性

ナース指導者が教える 超高齢者化社会での退院支援看護師の役割と必要性

今回は超高齢者化社会となっている現代の中で医療の役割は長期入院治療ではなく、早期治療、早期退院、地域協力での在宅医療と言われています。その中での看護師の役割も患者の在宅復帰支援を中心に行っていく必要があります。看護師の役割をしっかり理解した上で看護を行わないと時代に合った看護はできません。超高齢化社会での退院支援看護師の役割と必要性を伝えたいと思います。

超高齢化社会とは

高齢社会とは65歳以上の高齢者の割合が人口の14%を超えた社会を指し、日本は1994年の時点で高齢社会に突入しています。さらに超高齢社会とは65歳以上の高齢者の割合が人口の21%を超えた社会を指し日本は2007年で超高齢化社会を迎えました。超高齢化社会を迎える2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、国民の5人に1人が後期高齢者となります。このことを受けて国や企業は労働力の減少、医療・介護制度等の課題解決に向けた様々な取り組みが求められています。

参考文献:厚生労働省

高齢者の医療の状況

超高齢化社会で高齢者が多いため長期入院より在宅医療の充実が求められています。そのため病院も早期治療し退院支援を行っていくことが重要視されています。独居の高齢者が入院後治療し自宅に帰って1人で生活できず困るという状態も予測されているため、入院後早期に治療し退院場所の支援体制を整えたりしていくことが大切です。地域包括病棟という60日期限で退院を目指す体制の病院も増えています。

地域包括ケア病棟での退院支援とは

地域包括ケア病棟では入院期限は60日であり入院後60日以内に退院先を決めないといけません。そのため入院後よりカンファレンスを行い、他職種連携で治療の内容や退院後の生活などを話し合い、ソーシャルワーカーが支援を行い、家族と退院後の生活について話し合いを持ち、指導をしていきます。また入院後リハビリもADL(日常生活動作)のゴールをどこにするかカンファレンスで話し合った内容をもとにリハビリを行っていきます。栄養部や薬剤師もカンファレンスに参加し、医師との話し合いを行い支援を行います。

地域包括ケア病棟

看護師の退院支援とは

看護師の退院支援とは受け持ち看護師の関わり方が重要視されています。看護師には4人程度受け持ちを行い、入院から退院支援まで行います。退院支援支援とは何をしているのでしょうか。入院から退院までの流れをお伝えしたいと思います。

入院

看護師は病状説明の設定とカンファレンスの設定、医師と家族との病状説明のフォローなども含まれます。全てを理解していないとスムーズに退院は目指すことができません。

看護師の役割とは

地域包括ケア病棟では患者の入れ替わりが激しく、入院から退院までの看護師の役割も多い印象です。様々な患者もこられるため事例をとして伝えた方がわかりやすいかと思われます。事例をいくつか挙げて看護師の役割を伝えたいと思います。

事例1

独居の高齢者、転倒後ADL(日常生活動作)低下し、一部介助で生活援助が必要。リハビリ目的で地域包括ケア病棟に転院した。

病棟での患者支援・看護師の役割
  • 入院後カンファレンス(独居であり自宅では生活できない施設検討・退院目標を決める)
  • ソーシャルワーカーが介入し本人やキーパーソンと施設検討する
  • リハビリ・看護のケア
  • 入院後2週間カンファレンス(施設検討の経過、リハビリの経過、退院目標の経過、入院後の生活について)
  • 施設の聞き取り(本人の状況確認)受け入れできるか返事あり
  • 退院前にケアマネージャーや施設職員と退院時カンファレンス
  • 施設が決まれば医師の確認のもと退院許可、施設やケアマネージャーと退院日を決める
看護師は全ての状況を理解していないと他職種介入での退院支援ができません。早期に治療し退院後の生活も予測した上で退院支援を行えるようにしていく必要があります。

事例2

ケアハウス施設で発熱あり、吸引が必要になり入院となる。コロナ陰性、インフルエンザ陰性、レントゲンし肺炎と診断される。ADL低下し退院後はケアハウスには戻れないことが予測される。
看護師の役割

入院カンファレンスで治療の計画を主治医より話があります。ケアハウスは自立施設であり、介助が必要なのであれば戻れません。新しい施設検討必要と判断し、ソーシャルワーカーへ退院支援を依頼します。患者の発熱に対して安楽に過ごせるようにケアを行っていきます。

事例3

施設より発熱で入院し肺炎、抗生剤開始して発熱は改善したが吸引は頻回である。60日期限であるが改善せず経過している。

看護師の役割

肺炎は改善せず経過しています。入院時カンファレンスではまず肺炎治療を行うとの話があり、家族へも肺炎の治療を行い、高齢でもあり急変の可能性ありと説明されます。(家族は積極的な延命治療は希望されませんでした。)入院60日期限ですが改善せず、療養病院へ転院方向となります。ソーシャルワーカーへ相談し受け入れる病院を探し、看護師は治療に伴うケア、観察を行います。

退院支援看護師の必要性

今は地域包括ケア病棟が多く、在宅医療が求められる時代となっており、早期治療・早期退院となる傾向にあります。医師だけでなく入院時から他職種が関わることで早期に退院支援も行うことができ、方向性も決めやすい状況にあります。また他職種だけではなく家族への病状説明も定期的に行ったり、家族との意思疎通もきちんと行うことで退院支援をスムーズに進めることができます。患者の理解・家族の理解を求めるには看護師としても関わり面会時に説明を心がけたり、ソーシャルワーカーへの介入を試みたりと役割はたくさんある状況です。私の病棟でも看護師の受け持ちが介入することを心がけてみんなで協力して退院支援を行っています。

最後に

看護師は病院での役割がたくさんありますが、今の時代は退院支援での役割がとても重要です。そのために患者や家族との関わりが大切です。たくさんの患者が入退院をスムーズに行うために医療従事者の努力が必要な時代となっています。この医療社会の仕組みを理解しないと役割は果たせません。大変なことは多い状況ですが時代にあった看護を行っていきましょう。

地域包括ケア病棟についてと退院指導、介護認定について訪問看護についてもブログを作っているのか参考にしてください。
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