ナース指導者が教える 看護師が病棟で行う心電図検査とモニター装着の方法
病棟で看護師が行う検査として緊急時の心電図12誘導と急変時や心臓疾患がある患者のモニター装着、酸素飽和度低下時のSPO2モニターがあります。これらは看護師が直接実施できる検査、機器となりますので操作方法は知っていないといけません。今回はこれらについての基本と注意事項をお知らせしたいと思います。
心電図12誘導
心電図検査とは心臓が収縮や拡張をする際に流れる電気信号を記録する検査で心臓の状態を把握するのに役立ちます。健康診断でもよく行われる検査です。
入院時の検査で必ず心電図はあり、検査技師が検査していますが、夜間や急変に伴う検査指示がある場合は看護師が検査して医師に提供し指示を仰ぐことが多いです。そのため必ず研修もありますし、電極の装着方法は自己学習して覚えています。
夜間急変時の心電図の実施状況
事例
元々心疾患(狭心症)があり自宅でもニトロペン舌下錠を使用していた患者、夜間胸部症状出現し、医師の指示で胸部症状時は心電図12誘導をとって、ST上昇関係なくニトロペン舌下錠を内服していいとの指示であった。
看護師が行った処置
指示簿の通りに胸部症状出現したため心電図12誘導をとり、血圧測定後にニトロペン舌下してもらった。その後30分して改善したため、それを記録に残した。夜間の胸部症状のため当直医師へも報告し、心電図を見ていただいた。
注意事項
急変時や胸部症状出現時は素早く心電図12誘導を取らないと患者へも負担をかける。心筋梗塞であった場合急変する可能性もあるため早期の対応が必要である。また心電図の見方も理解していると尚よく、対応も早く早期治療を受けることができる。まずはなぜこの処置をしているかを理解し、実践することが必要である。
モニターの装着
病棟にはモニターと言われるものがあり24時間体制で観察をしている。CCUモニターと言われる心電図モニターと酸素飽和度低下を観察するSPO2モニターがある。
CCUモニターとは
心電図波形と心拍、呼吸回数がでるモニターで心疾患を持っている患者や、急変後の状態把握する患者に装着している。電極は3点と5点があるが、3点を使うことが多いため3点のみ載せています。右鎖骨下が赤、左鎖骨下が黄色、下胸部は緑です。痩せている人などは波形が出にくい場合もあるため、電極の位置を平坦な場所に変えることもあります。動かれる患者は電極のシールが取れやすいため張り替えも必要です。24時間体制で波形や心拍を確認しています。
ベッドサイドモニターもあり、ベッドサイドに移動できるモニターもあります。それは血圧、酸素飽和度が測定できます。 呼吸数、血圧値もモニターで見ることができます。
SPO2モニター(酸素飽和度)
酸素飽和度とは血中の酸素の値を測定し、正常値は96%〜100%と言われています。気管支喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの呼吸器疾患や心不全、心筋梗塞を持っている患者は90%以上を目標にされる場合があります。医師の指示に合わせてSPO2値が低値の場合は酸素投与がされます。
モニター装着の注意事項
モニター装着は緊急性が要する場合と、入院後の医師の指示で開始する場合とあります。また看護師判断で開始する場合もありますが、モニターへ移すということは24時間体制で観察が必要ということになります。そのため装着方法や、モニターのアラーム設定、患者名などをきちんと入れるなどきちんと反映されているかを確認することが大切です。また定期的に確認し記録に残すこと、患者への装着がきちんと行われているかも確認することが大切です。アラームに対してもなぜ鳴っているかを理解できるようにしておく必要があります。
最後に
24時間患者の病態を管理するということは看護師の役目ですが、器械を使用するのであればきちんと正常と異常も理解していないと患者を見ることができません。そのためきちんとした知識を技術を自己学習し身につけておくようにしましょう。見ていただくありがとうございました。
よろしければ別のブログで胃カメラや大腸ファイバーについての検査、胃瘻についてを作っています。よろしければ参考にしてください。
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