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ナース指導者が教える 看護概論の基本と病棟見学で学んでほしいこと

ナース指導者が教える 看護学概論の基本と病棟見学で学んでほしいこと

私の病院では看護学校が併設されており、私は看護学校の病棟実習での指導者をしています。看護学校の看護学概論で病棟実習を設けられており、その中で病棟のオリエンテーションと病棟見学を行っています。今回はその内容を基礎実習Ⅰに向けて学んでほしいことを伝えたいと思います。

看護学概論とは

看護学概論とは看護学の基礎概念である人間、環境、健康、看護の概要と構造について学習し、専門職としての看護の役割の重要性を認識し「看護学」に対する基礎的理解と展望を明確にする。

目標

  • 看護学の基礎概念である人間、環境、健康、看護概念、看護援助の本質について理解できる。
  • 専門職としての看護の役割と看護活動の実際が理解できる

看護学概論で学ぶ内容

  • 看護の歴史的変遷(へんせん)
  • 看護の対象や活動の場、内容、方法
  • 看護職の役割
  • 他職種との連携の重要性
  • 看護学の基礎概念である人間、環境、看護の概要と構造
  • 看護援助の本質

看護の歴史的変遷

私が知っているのはナイチンゲールですが、1850年まではイギリスにおいてフローレンス・ナイチンゲールが出現するまでは看護の仕事は社会的に確立しておらず病人や負傷者の看護は主に身内によって行われていました。ヨーロッパにおいては、病院という施設は存在しましたがそこで働く看護師は、教育も受けていない最下層の女性たちによって担われていました。日本においては明治政府によって新しい西洋医学が導入されるまでは病院という施設は存在しませんでした。1860年にナイチンゲールによって近代看護が樹立しました。クリミア戦争から帰還したナイチンゲールは1860年に「看護覚え書」という書物を書いて看護のあり方や考え方を説きました。

参考サイト:東京有明医療大学

看護の対象や活動の場、内容、方法

看護の対象はあらゆる年代の個人、家族、集団、地域社会を対象にしている。さらに健康の保持増進、疾病の予防、健康の回復、苦痛の緩和を行い、生涯を通して最期までその人らしく人生を全うできるようその人の持つ力に働きかけながら支援することを目的としています。

活動の場

看護師の活動の場は病院やクリニック、訪問看護ステーション、介護施設、行政機関、教育機関、企業など多岐にわたります。

仕事内容・方法

血圧や体温、脈拍の測定、注射や点滴、採血、患者の移送、食事や入浴、排泄の補助、体位交換、ベッドメーキングなどがあります。また疾患の知識がありますので観察を行います。

看護職の役割

  • 患者やその家族のケアを行う
  • 診療の補助を行う
  • 患者や家族の不安を取り除く
  • 患者や家族の心のケアを行う
  • 患者や家族の生活指導を行う
  • 疾病の予防を行う
  • 健康の回復を行う
  • 苦痛を緩和する

看護職には看護師・保健師・助産師・准看護師など様々な種類があり、それぞれ異なる役割を担っています。看護職は医療チームの一員として患者や家族の身体や心のケアをします。看護職の免許を取得するには看護師や保健師、助産師は国家試験に合格する必要があります。准看護師は都道府県の試験に合格し免許を得る必要があります

他職種との連携の重要性

病院では他職種連携が必要です。他職種連携とは入院から退院に向けて医療や介護福祉に関わる様々な専門職種が互いの専門性を活かし一つのチームとして地域に働きかけることをいいます。入院中は医師・看護師・介護士・介護福祉士・薬剤師・リハビリ・栄養士・ソーシャルワーカー、退院後は訪問看護師・施設スタッフ・ケアマネージャーなどが関わります。チームで協力して患者さんに関わり体や心のケア、相談役となります

看護学の基礎概念である人間、環境、看護の概要と構造・看護援助の本質

  • 看護の目的はその人の自然治癒力を引き出し、健康の保持増進と病気の予防、苦痛の緩和、生涯を通してその人らしく暮らせるよう支援することです。
  • 看護技術は看護の専門知識に基づいて、受けての安全、安楽、自立を目指した直接行為です。
  • 看護師には対象者の生命力を消耗させているものを観察し、取り除くための技術が求められています。
  • 看護師の倫理綱領では健康の増進、疾病の予防、健康の回復、苦痛の緩和、尊厳のある死の推奨が看護師の基本的な責任とされています。
  • 看護の対象である人間は、身体的・精神的・社会的存在としての統合体であり、環境との相互作用の中で絶えず変化し成長・発達しています。
  • 看護では患者さんとのコミュニケーションを図りながら支援していくことが基本になります。
  • 看護の対象を理解するためにはその人の発達段階や健康状態、治療内容、療養・生活環境など様々な特徴やニーズを把握することが重要です。
看護師の「看」は手で見ると何度も看護学校で教えられました。それを今再確認しています。現役で病棟で看護をしていますが、基本を理解していないと心のケア、患者さんに寄り添ったケアはできません。

看護概論学習後の病棟見学

看護概論が看護学校で学び、「看護をすること」を学習した後に実際病棟で見学を行います。付属の病院で行うことが多いと思います。

オリエンテーション

オリエンテーションで下記の内容を説明します。

  • 病院の仕組み
  • 病棟の仕組み
  • スタッフの人数
  • 看護師の業務内容・1日の流れ

病棟見学

病棟見学では看護師のバイタルサイン測定の見学を行ったり、処置の見学や食事の配膳、ケアの見学を行います。まずは病院と病棟の雰囲気を知ることを目的にされています。

看護師の1日の流れは別のブログに載せていますのでそちらを確認してください。
ナース指導者が教える 看護実習のオリエンテーションで伝える日勤業務1日の流れ
看護師23年目、実習指導や子育ての様子を楽しくお伝えするブログです。看護師の1日のスケジュールを書いています。お悩みの方もこれを見て明日への励みになっていただけると嬉しいです。

病棟見学で学んでほしいこと

病棟見学は病院の構造と病棟の仕組み、スタッフの雰囲気や看護師は何をしているのかを学んでほしいです。面会や入院したことがあるなどで病棟は来たことがあるという学生はいると思いますが病棟で看護師が何をしているのかなどを見る機会はなかったと思います。雰囲気を感じ、看護師になりたいと感じてほしいです。あまり忙しいばかりのところばかりを見ると「自分にはできるのか」と感じてしまうことも多々ありますが必ずできるようになるので安心してまずは憧れの看護師とはどういう職業かを見てほしいです。

最後に

今回は看護概論という看護の歴史から載せてみました。私でもわからないことはありますが、看護概念は患者さんのケアを行いたいと思うところだと思いますので私も再度概論を勉強し直して改めて看護師になって良かったと感じました。これから看護師になりたいと意欲や不安を持っている学生さんがみていると思いますので「何も心配することはない」と言いたいと思います。情熱が看護師になることを実現してくれます。頑張ってくださいね。みていただきありがとうございました。

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