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ナース指導者が教える 固定チーム制とリーダー看護師の役割

ナース指導者が教える 固定チーム制とリーダー看護師の役割

病棟の業務は固定チーム制になっていることが多く、チームメンバーとチームリーダー、総リーダーに担当が分かれます。これらの仕組みをきちんと理解して報告・連絡・相談も行わないと患者さんの症状の変化があった場合に主治医への報告が遅れて処置も遅れることがあります。その中でリーダーの役割はとても重要で、中心的に動いていく必要性もあります。今回は固定チーム制とリーダー看護師の役割についてお伝えしたいと思います。

固定チーム制とは

病棟には円滑に業務を行うために固定チーム制を行うことが多く、チームメンバーとチームリーダー、総リーダー、管理者とそれぞれの役割を持って業務を行っています。その中で一番に重要なことは報告・連絡・相談と言われており、それぞれの役割に対してきちんと行うことで早期に患者のケアを行うことができるとされています。報告・連絡・相談をそれぞれで行うことで時間がかかり患者さんのケアが遅れないようにスムーズにリーダーへの報告を行っています。

固定チーム制

医師までの報告・連絡・相談した後は医師から指示が出て、総リーダーはそれをチームリーダーへ伝えます。チームリーダーからチームメンバーに伝えて点滴や内服開始となることが多いです。チームメンバーが不在の場合は変わりにチームリーダーがメンバーの代わりに行うこともあります。

チームメンバーの動き

チームメンバーとは1年目からベテランまで全ての看護師が担当します。前日に役割を振り分けており、担当の部屋持ちを行い、内服や食事援助、点滴、検査出しなど担当患者のケアや処置を行います。メンバーがバイタルサイン測定を行い発熱や状態変化があった場合はチームリーダーへ報告し医師への報告を依頼します。午前中、午後とそれぞれで報告・連絡・相談を行うことになっています。検査出しは同じチームのメンバーで行い、全てチームでカンファレンスも行われます。

チームリーダーの動き

チームリーダーとは看護師3年目以降のスタッフがなることが多く、チームメンバーに慣れて判断力がつき、チーム全体を把握できるようにならないと行うことができませんが3年目からチームリーダーの訓練が始まります。チームリーダーになることで3年目看護師も成長をすることができます。チームリーダーはメンバーに総リーダーの指示を下ろしたり、患者の状態変化をメンバーから報告され、医師への報告が必要な際に総リーダーへ報告・連絡・相談を行います。チームはAチームとBチームがあり、それぞれにチームリーダーがいます。固定チームであるため一定の期間は同じチームに所属して患者もチーム別で観察しています。

総リーダーの動き

総リーダーは両チーム(AとB)がそれぞれ円滑に動いているかを見たり、両チームからの報告を医師へ伝えて指示をもらったり、スムーズに全体を見て動くことを重要とされています。医師や管理者への報告を行うので病棟全体をある程度知っていることや、医師への関わり方、対処方法、他職種への報告の仕方、家族への病状説明の設定などあらゆることをできることが求められます。両チームの患者のことも全部は知らなくでもカルテを見たらわかるような観察力・判断力・アセスメント力も必要になります。看護師5年目以上が総リーダーになることが多いです。

管理者の動き

管理者はベテラン看護師以上の病棟を管理されている方でスタッフ全体の勤務調整や病棟の患者の把握、入退院の調整などを行います。病棟運営にはとても必要できちんとした知識、管理力が必要となります。スタッフの家庭状況や勤務態度全てを知っていないとできないと思われます。医師との病棟運営について話し合ったり、患者の退院調整をしています。総リーダーのようにチーム全体を見て把握しています。

医師・他職種

医師・他職種も病棟運営にはとても重要で、協力して患者のケアを行なわないと退院調整や入院受け入れもできません。家族との退院調整に関してはソーシャルワーカーがとても必要になってきます。入院時より独居で退院時は施設検討しないといけない場合は入院時から家族に探してもらったりするのはソーシャルワーカーがされています。ソーシャルワーカーは全員の患者の家庭環境、生活環境、介護度を把握していないと退院調整はできないと思われます。医師は担当患者の治療、家族への病状説明、薬剤師は内服調整、栄養士は栄養調整を退院へ向けて他職種みんなで協力して治療や退院調整を行っています。

チームカンファレンス

固定チームで毎日カンファレンスを行っています。カンファレンスの内容はそれぞれの担当患者の行動計画、全体で把握しておかないといけないこと、検査、家族対応などです。入院や退院は何時か、病状説明の時間など行うべきことが重なるときはチーム内で協力して行えるように情報共有を行うためのカンファレンスです。スタッフの休憩の順番もスタッフのやらなくてはいけないことを考慮してチームリーダーが決めます。今日委員会があるや研修があったりとみんなで共有することをこの場所で報告します。これを行うと協力体制ができスムーズに業務が進みます。

入院時カンファレンス

入院時カンファレンスとは一般病棟や地域包括ケア病棟で行われることが多く、他職種で入院患者の今後の治療とケア、退院までの支援の協力体制を話し合います。家族との話もどのように進めるかなどもこの場で話して独居から施設検討を入院後から家族指導を行い進めていきます。このカンファレンスでは他職種でのカンファレンスを総リーダーがすすめます。総リーダーは入院された患者の情報を理解しておかないといけません。

リーダー看護師の役割

リーダー看護師は総リーダー、チームリーダーとそれぞれの役割は違いますが、責任はある看護師業務を行っています。成長すると看護師全体の動きを見ることができるようになり、全体の指示も出せるようになります。医師や他職種との関わりもできるようになり、病棟業務を円滑に行うことができます。報告・連絡・相談の必要性もリーダーを行うほど理解できるようになります。1人で悩むこともあるかと思いますが、その際はチームのスタッフや管理者、医師に相談し進めていくことで業務も円滑にできます。悩みはその場で解決するように心がけましょう。

最後に

今回は固定チーム制とリーダー看護師の役割について書きました。リーダーになると責任感に押しつぶされそうになることもあるかと思いますが、判断力やアセスメント力、家族指導力、スタッフ指導力も付き成長できると思うこともできます。積極的にわからないことは医師や管理者に確認し、自分の学びとして成長していけるといいなと感じています。よろしければ参考にしてください。

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