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ナース指導者が教える 看護師うつにならないために病棟での取り組みと日常生活の過ごし方

ナース指導者が教える 看護師うつにならないために病棟での取り組みと日常生活の過ごし方

看護師は業務が忙しく、人との関わる仕事であるため精神的に病むことが多くあります。私の周りでも看護師の業務が重なり悩みを解決できず鬱などの精神症状を発症し、休職してしまう看護師は数多くいました。そのため今回は鬱や精神症状がなく仕事を行うためにどうしたらいいのかを私の経験を踏まえて書きたいと思います。

うつ病とは

うつ病とは気分障害の一つで一日中気分が落ち込んでいたり何も楽しめなかったりといった精神症状が特徴的です。加えて不眠や、食欲不振、疲れやすいなどの身体症状が現れることが多く、日常生活に大きな支障を生じてしまうケースが多いです。

一般的な症状

精神症状

  • 無関心になる
  • 気分が落ち込む
  • 意欲がなくなる
  • ぼんやりすることが増える
  • 悲観的に考える
  • 口数が少なくなる
  • 外見や服装を気にしなくなる
  • 飲酒量が増える
  • 集中できない・仕事でミスが増える
  • 喜んだり楽しんだりできない
  • 不安・焦り・イライラ感

うつ精神症状

 

身体症状

  • 頭痛
  • 動悸
  • 食欲不振(または過食)
  • 味覚障害
  • 腰痛
  • 下痢・便秘
  • 生理不順
  • 性欲減退
  • 肩こり
  • 腹痛・胃の不快感
  • めまい
  • 睡眠障害(不眠・過眠)
  • 耳鳴り

うつ身体症状

看護師うつの原因

  • 看護師は患者の命を預かるという責任が重い。
  • 立ち仕事が多く、集中力を要するため精神的、肉体的にもストレスを感じやすい。
  • 女性の占める割合が非常に高い女性社会であり、女性特有の人間関係の難しさに悩まされている人が多い。
  • 経験年数によって指導者など日常業務以外での仕事が多い
  • シフト制であり夜勤もあることで一定の就寝時間が取れない。

経験年数別では

新人

  • 学生から社会人への移行だけでストレスがある。
  • 新しい環境や業務に慣れるためには多くのことを学なければならず常にストレスを感じる。
  • 自身の能力を超えた仕事量をしないといけない。
  • 上司や先輩の叱責や患者、家族対応によりストレスを感じる。
  • 慣れないシフト勤務や夜勤などは体にも負担をかけやすい。

ベテラン看護師の場合

  • 経験を積んだベテラン看護師は任される業務が増えるので負担が重くなります。
  • 責任のある立場はやりがいも増えますが慣れているからこそのストレスを感んじます。
  • 業務が増えることでプレッシャーも増える傾向にあります。
  • 中間管理職になると看護部長と後輩看護師の間に挟まれる場面も増え、調整などの人間関係の悩みも生まれてしまいます。

看護師労働実態調査

日本医療労働組合連合会での2013年9月1日から2013年11月15日で行われた32,372人の看護職員労働実態調査報告書にて絶対的な人手不足により深刻な健康実態として「慢性疲労」74%「健康に不安」60%「強いストレス」67%となっている。「慢性疲労」によっては1988年でも66.3%であり改善されてないことがわかる。3交替勤務は夜勤月9日以上が4割近くまで増加、2交替夜勤は16時間以上が54%、夜勤回数5回以上が4割超えである。ハラスメントについては「セクハラ」は12.7%「パワハラ」26.7%「セクハラ」は患者からが72.4%、「パワハラ」は上司からが55.2%、医師からが44.3%であり上司からのパワハラは50歳代では48.1%であるが「24から29歳まで」65.4%「20から24歳」までは69.9%と若年層ほど高くなっており、若い新入看護師の離職理由となっていることも考えられる。看護師を目指し、国家試験に合格して資格を取ったにもかかわらず年間12万5千万人が離職している。仕事を辞めたいと「いつも思う」は19.6%「時々思う」は55.6%合わせると75.2%であり4人に3人は仕事を辞めたいと思いながら働いている。仕事を辞めたい理由は「人手不足で仕事がきつい」44.2%「賃金が安い」が33.9%「思うように休暇が取れない」33.3%「夜勤が辛い」31.6%「思うような看護ができず仕事の達成感がない」27.8%と続く。自由意見では「看護師の仕事は好きだが忙しすぎて満足な看護ができない。家族にも負担をかけ辞めたい」「患者の高齢化、重症化、認知症の増加で人手は全く足りない」「今の夜勤体制では患者の安全も守れない」「忙しすぎて疲れもとれず、仕事に来るのが憂鬱」「医療事故におびえて仕事」「精神的にも肉体的にもボロボロ」「日勤→深夜などのシフトが辛い」「夜勤前後の休みは休んだきがしない」「夜勤が10回を超え休暇も取れない」「自分や家族が病気でも休めない」「不払い労働が多く年休も取れない」「妊娠しても夜勤免除されない」「子供にしわ寄せ、限界」「仕事に見合わない低すぎる賃金」「外来や手術室も過酷」「訪問看護の携帯待機は大きなストレス」などである。

参考サイト:日本医療労働組合連合会「看護職員の労働実態調査」

私の病院でのストレスの状況

経験年数や勤務状況によって上記の看護実態調査のような意見はあります。しかし病院の取り組みで残業を減らす取り組みもされています。前残業を減らす、業務終了後は残業せず帰宅する。スタッフで協力して業務を終わらせるなどです。しかし、仕事量は委員会や学習会の資料作りなどもあり変わらないため、業務中で終わらないこともあります。自分で時間配分して業務時間内で行う努力をしています。だらだら仕事をしないなど自分でも仕事をためていかないように努力をしています。実際は努力しないと仕事が終わりません。給料が仕事量に見合っているのかと考えることもありますが見合っていないと思います。しかし今の職場にて10年も働いており、実際は指導者もしているためやりがいを感じてやめることができないのです。辞めたとしてもまた他病院で初任給からの始まるため給料は今金額を維持したいと感じています。

私の病院でのストレスからうつにならないために病棟での取り組み

やはりベテラン看護師はうつになりにくいと考えられます。今までの経験があるので問題があっても解決する方法を知っています。新人は解決する方法を知らないのでストレスフルになる傾向にあります。そこからうつ病を発症するかは個人によって違いはありますので、その前で気づき対応するようにしています。プリセプターが付いているので話のできる環境を作ったり解決する方法を一緒に考えます。その方法で解決することもあれば解決できず休職や退職へ移行する場合もあります。周りのスタッフに話せるような環境にしていくことが大切だと感じています。

うつにならない為の日常生活の過ごし方

自分の悩みを話せる友達や場所を作る。私も友達はあまりいないのでSNSで発信し、いいねをもらうことで仕事の悩みが解決することもあります。また仕事場でも相談しやすいスタッフへ悩みを話したり会話をしたりすることで解決することもあります。またそれでも悩みが辛さが解決しない場合はクリニックへ受診して休職診断書をいただき、休職することもできると思います。気分転換のために自分がしたい趣味や映画を見たりすることで仕事を忘れることを私も実践しています。また家族や恋人がいる人はその方とコミュニケーションを取ったり旅行に行ったり好きなことをすることもおすすめです。

うつ病かなと思ったらすること

うつ病かなと思ったらなるべく早く病院やクリニックで診てもらうことが大切です。うつ病の場合「精神科」や「心療内科」「メンタルクリニック」「心のクリニック」などで診察を受けることができます。これまで「精神科」や「心療内科」などを受診されたことがない方は不安を感じるかもしれませんが普段、風邪をひいた時にかかる内科とほとんど変わりません。ただし予約制のところが多いのであらかじめ電話にか確認した方がいいと思われます。

休職するか退職するか

受診にてうつ病と診断されたら、診断書をもらい、管理者へ提出となります。その後看護部長にも報告となりますが、診断書の内容にて休職となることが多いです。休職して改善すれば復帰となりますが、復帰しても再発することがあるのでその場合は退職してゆっくり治療に専念後復帰を目指すことが多いです。休職するといつか復帰しないといけないと思い、さらに不安やうつ症状が悪化する場合もあるので状況によっては退職してしっかり治療することが望まれ、新たな職場で働くことで改善する場合もあります。

うつ病かも

最後に

看護師実態調査をみると、今の勤務状況は当たり前と感じてはいけないと思います。ストレスを耐えること、受け入れることは良くないと思います。我慢することでストレスフルとなり病気となることは自分の人生にとってすべきことではありません。「ストレスフルになる前に改善できることは改善していく。」これが自分の役目だと思いますし、ブログで発信し悩みを解決することで少しの人でも不安が改善してくれえば自分のやりがいと感じ、ストレス解消になります。新人指導でも会話することで笑顔が見られたり「話して良かった」と言われることで少しでも助けることができたとこちらも感じることができます。また、うつ病かもと感じたら早めに受診してほしいです。今の時代は生活にストレスを感じてうつを発症してしまうことが多々あり、ナースは時に起こりうることを感じてほしいです。みんなが夜ぐっすり眠れるように祈っています。

見ていただきありがとうございました。

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