現役ナース指導者が教える 看護学生が必要な看護過程のコツと看護計画立案する方法
ナース指導者が今回は実習で看護学生が必要な看護過程のコツを教えます。看護過程を展開するために患者の情報収集、アセスメント、全体像、看護問題、看護計画の立て方の方法を教えていきたいと思います。実際、実習で全体像の把握が難しく、看護問題、看護計画を立案できずに再実習となる学生がいます。これをみていただき少しでも役に立てて欲しいです。よろしくお願いします。
実習での患者の情報収集とは
実習での患者の情報収集の仕方はカルテからと患者からとなりますがそれ以外にも入院生活の様子やご家族、リハビリのスタッフからの情報も役に立ちます。患者からやご家族からの日常生活の情報も本人からしか聞けない情報なので聞くと役に立ちます。
情報収集の目的
患者の身体的、心理的、社会的状態を正しく理解し適切な看護を提供することです。情報収集が不足すると正しい看護ができず医療事故につながる可能性があります。また情報を知ることで患者や疾患を知ることができます。
情報収集の項目
- 現病歴・既往歴
- バイタルサイン
- 検査内容・検査結果
- 医師の指示・治療内容
- 家族関係・家族環境・家族の要望
- リハビリ記録
- ソーシャルワーカーの記録
実習でのアセスメントとは
実習でのアセスメントとは情報から全体像を把握し、問題を導くための判断です。全体像は患者の情報を図にまとめて問題点を理解しやすくします。 全体像で病状を把握し、アセスメントを行い問題を提起します。情報は記録上ではSOAPで書かれていることが多く実習の記録でもSOAPを使用します。
全体像とは
SOAPとは
看護記録にはSOAPを使用して記録します。そのため学生の時から実習記録ではSOAPを使用して記録しています。SOAPは意味があるので下の表を見てください。
看護問題の立て方
看護問題は患者情報からアセスメントを行い、その中から問題点を出します。いくつかある中で優先順位をつけて『#1』と表記します。上の全体像から言うと「#1転倒転落の危険性」となります。どこから転倒、転落が上がったのかも記入する必要があるので、「例)胸部症状、倦怠感の出現時のふらつきに伴う転倒転落の危険性」というような感じで立てます。
看護計画の立て方
看護計画は看護問題から計画を立てますが看護問題ごとに立てます。計画内容な『OP観察計画』『TP援助計画』『EP教育計画』に分けられます。この時は看護師を主語とせず患者さんを主語として計画を立てます。
事例
#胸部症状、倦怠感の出現時のふらつきに伴う転倒転落の危険性
- 長期目標:転倒・転落しない
- 短期目標:ナースコールを押すことができる
OP
- バイタルサイン
- 検査データ
- 睡眠状況
- 日中見守りにてトイレ歩行
- 夜間は見守りにてポータブルトイレ
- 視覚・聴力の程度(補聴器使用)
- 転倒歴あり
TP
- ベッド周囲の環境整備
- ベッドの高さ
- センサーマットの位置、スイッチ
- ナースコールを手の届く位置に置く
- 夜間ポータブルトイレ使用時の位置
- 靴の選択
EP
- 日中や夜間尿意や便意があるときはナースコールを押してもらう
- スリッパは使用しない
- 夜間はポータブルトイレを使用してもらうように説明する
- 不安がある際は声をかけてもらうように説明する
看護問題、看護計画を上げるコツ
- 看護問題や看護計画はまずは理解することが必要なので情報収集をきちんととる
- 全体像を書いて理解する(書き方も勉強)
- コミュニケーションをとり患者を理解する
- 患者の疾患を理解し、どの疾患からどの症状があるのかを理解する
- SOAPの書き方に慣れる
- 看護問題も症状や年齢から上がるため全体像を理解する
- 看護問題はOP,TP,EPの書き方を理解する。
最後に
今回は実習での情報収集から看護計画立案までの行い方を説明しました。これに「評価」がありますが、評価もSOAPで書き、目標が達成できた可動化を書きます。そこまでできれば看護過程の展開ができたとなりますが、患者の疾患も多く、どの情報を優先的に問題とするのかは難しいようです。短期目標も今の状況に合っていなかったりすることも多く、指導者や教員からの指導が入ります。わからないことも多くあると思いますがその際は指導者へ聞いてもらうとわかりやすく教えてもらえると思います。よかったら参考にしてください。
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