ナース指導者が教える 地域包括ケア病棟で必要な要介護認定、介護度とは
私はナース指導者をしており、地域包括ケア病棟に所属しています。地域包括ケア病棟で行われる要介護度認定、介護度の理解を共有できるように書きたいと思います。よかったら参考にしてください。
要介護認定とは
介護保険制度では寝たきりや痴呆などで常時介護を必要とする状態(要介護状態)になった場合や家事や身支度などの日常生活に支援が必要になった状態(要支援状態)になった場合に介護サービスを受けることができる。この要介護状態や要支援状態にあるかどうか、介護の程度を判定するのが要介護認定であり、保険者である市町村に設置される介護認定審査会で判定される。
要介護認定の流れとは
要介護認定は、介護サービスの必要度(どれくらい、介護のサービスを行う必要があるか)を判断するものです。病気の重さと介護度が一致しない場合もあります。介護サービスの必要度の判定は客観的で公平な判定を行うためコンピュータによる一次判定と、それを原案として保健医療福祉の学識経験者が行う二次判定の二段階で行います。
参考文献:厚生労働省
介護度とは
日常生活を送るにあたってその程度の介護(介助)を必要とするかを表す指標と言えるのが「要介護度」です。一般的には介護保険制度の要介護認定の段階を示し、「自立」「要支援1〜2」「要介護1〜5」の計8段階があります。
参考文献:みんなの介護
介護度別認定基準一覧表
要介護認定には厚生労働省が定めた「要介護認定基準時間」が基準になっています。要介護認定基準時間とは「介護の手間」にかかる時間を表しています。高齢者の能力・介助の方法・障がい者や現象の有無をもとに統計データにより推計されます。
要介護認定等基準時間の内訳
要支援1:25分以上32分未満
要支援2・要介護1:32分以上50分未満
要介護2:50分以上70分未満
要介護3:70分以上90分未満
要介護4:90分以上110分未満
要介護5:110分以上
参考文献:厚生労働省
介護保険適用で使えるサービス
介護保険適用で使えるサービスがあります。
福祉用具をレンタル
要介護認定の段階よって異なります。
- 要支援1〜要介護1:手すり、スロープ、歩行器、自動排泄処理装置
- 要介護2〜要介護5:手すり、スロープ、歩行器、自動排泄処理装置、車椅子、特殊寝台、床ずれ防止用具、体位交換機、認知症老人徘徊感知機器、移動用リフト
介護保険で購入できる福祉用具
固定用スロープ、歩行器、杖(単点杖、多点杖、松葉杖を除く)、腰掛け便座、自動排泄処理装置の交換物品、入浴補助用具、簡易浴槽、移動用リフトのつり具部分、ポータブルトイレがあります。
なぜ地域包括ケア病棟で要介護認定が必要か
地域包括ケア病棟では60日という入院期限がありその中で退院後の施設を決定したり、患者の病状に合わせて病院を決定します。独居で生活している方や家族と自宅で生活している方は介護認定によって使用できるサービスに違いがあり給付額も違います。そのため入院後介護認定がされていない患者に対しては介護認定の手続きをし行なったり、介護認定調査を行う必要性があります。看護師も介護度について理解する必要があり、理解することで患者やご家族への対応もスムーズに行うことができます。
最後に
今回は地域包括ケア病棟での介護認定の必要性や仕組みを伝えました。私もわからない点もありますのでその都度確認し理解するようにしています。今の時代は超高齢化社会となり老老介護も多く見られているのできちんと説明できるように研修や自己学習で知識も得ること、理解することが必要となります。よかったら参考にしていただけると嬉しいです。見ていただきありがとうございました。
地域包括ケア病棟での業務について別のブログにて書いています。よかったら見てください。
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