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ナース指導者が教える 新人看護師が病棟業務で必要な優先順位の立て方とは

ナース指導者が教える 新人看護師が病棟業務で必要な優先順位の立て方とは

ナース業務の中で新人看護師に指導されることといえば優先順位を立てることです。これは看護師の統合実習でも複数の患者を受け持つにあたって優先順位を立てて業務を行うことを学びます。新人看護師も継続して複数受け持ちを保つため優先順位を立てて受け持ちのケアを行うことが必要となります。基本的な優先順位を学んで業務で実践していただきたいと思いますのでよろしければ参考にしてください。

基本的な優先順位とは

優先順位とは複数ある出来事に優先順位を立てて優先の高いものから行っていくことです。これは普段の生活でも行っています。例えば複数買うものがあって今一番必要なものから購入していくと言うことだったり、同時にいくつも行うことがあるときにどの出来事を一番優先するのかを一瞬で考えて行動することです。これは危険度や命に関わることなど危険度が上がるにつれて優先度が上がっていきます。個人によって思いはでは違うため優先度は変わることもあると思います。

看護師業務での優先順位を考える場面

看護師を行う場面でいくつか優先度を考える場面を考えてみました。まずは看護師の一日スケジュールを見てから例を立てて合わせてみたいと思います。

看護師の仕事一日スケジュール

  • 8:00  出勤・情報収集
  • 8:30 朝礼
  • 8:35 夜勤から申し送り
  • 8:35 患者食事摂取援助・内服(朝胃ろうは深夜、内服注入は日勤)
  • 9:00  チームカンファレンス・部屋周りバイタルサイン
  • 9:30 清拭・オムツ交換・入浴介助
  • 10:00  抗菌剤・点滴・検査
  • 11:30   昼胃ろう準備
  • 12:00  胃ろう注入、食事摂取援助・内服
  • 13:30  病棟カンファレンス
  • 14:00 抗菌剤、部屋周りバイタルサイン
  • 15:00  体位交換・オムツ交換・入浴介助・リハビリ
  • 16:00  記録
  • 17:00   終了

4例の患者の優先順位を考えます

受け持ち患者4人いて、①食事を摂取されている方②胃ろう注入がある方③点滴がある方④抗菌剤があり検査がある方がいると設定します。

  • ①食事を摂取されている:毎食食事を摂取されており、食事のセッティングを看護師が行って摂取されています。内服がありますので内服薬を配り内服介助を行うことが必要です。
  • ②胃ろう注入があり、朝は深夜帯に注入、昼は12時に注入し、白湯を200ml30分で注入しその後30分空けて栄養を1時間で注入後に内服注入があります。
  • ③絶食で点滴が一日1本500ml2本あり10時頃から開始します。1本500ml1、100ml/時間で落とします。
  • ④食事は自立しており配膳は看護師が行います。抗菌剤があり2回/日10時19時あります。100ml/本で1時間で滴下します。11時にレントゲンの検査があります。
  • 優先順位を考えると一日スケジュールと当てはめると①②④食事配膳、食事介助、内服介助(胃ろう内服介助注入)→③④点滴、抗菌剤施行→11時レントゲン検査・点滴確認、抗菌剤終了→①②④12時食事配膳、内服介助、胃ろう注入→②胃ろう内服注入
このような優先順位で行います。この間にバイタルサイン測定を行いますが発熱があれば発熱患者を優先して処置の対応を行います。命に関わる対応は優先され、その後に時間で行う処置が優先されます。また清拭や入浴援助は受け持ちで行う場合とケアスタッフがいる場合もありますのでこれらの処置の間に行っていきます。

病棟で指導する優先順位

  1. 優先順位は命の危険があることが優先(状態悪化の患者の観察、バイタルサイン、急な検査)
  2. 時間処置・検査を優先(皮膚の処置、抗菌剤、点滴、予定検査)
  3. 医師の診察介助がある場合優先(医師の診察介助、予定なく突発的に行うことも)

これらのことを優先順位を考える上で優先します。

新人看護師を行うときにどのように指導しているか

新人に指導するとき、上記の内容で優先順位を立てますが時間表で時間ごとのスケジュールを書き込んだり、カルテの予定表をコピーしてそれに追加して書き込んだり、予定表を作りスケジュールに沿って行います。スケジュール表を漏れがないように作成し、実践したらチェックしていきます。

優先順位を立てる上で気をつけていること

優先順位を立てる上で気をつけていることは、患者の状態変化の時は優先順位1番となりますが、それ以外でいくつも行うことがある際に優先順位を立てるのが難しいと感じることが多いと思います。時間ごとの処置に時間がかかり、次に行うことに取り組むことが遅くなる場合があります。忙しい状況になる場合、時間内にできないときや急な予定変更は経験を重ねると次の予定がすぐにわかり変更できますが、新人看護師はわからないため上司に相談を行い協力を得ることも必要になります。チームで患者さんを観察しているためしっかりとした協力体制で行うことが必要となります。上司も新人看護師がきちんと予定通りに行えているかを確認して一緒に業務を行うようにしています。

最後に

今回は優先順位の立て方についてお伝えしました。看護師は複数の患者を受け持ち業務を行います。1人1人に行う検査や処置があり同時にすることはできません。そのため順序を立てて行うためにもスケジュールを立てて行っています。新人看護師は優先順位を考えてスケジュールを立てることも難しく行うことができません。そのために入職時より指導して優先順位の立て方を学んでいきます。夜勤をする時には病棟の半数を受け持つためこの優先順位を理解していないと夜勤にも入ることができないと判断されます。そのため入職時からしっかり指導して行っていきます。よろしくければ参考にしてください。見ていただきありがとうございました。

別のブログでも新人看護師に必要な内容を載せていますのでよろしければ参考にしてください。
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