ナース指導者が実習で必要な患者さんとのコミュニケーションの基本・大切さを教えます
私は実習指導を5年ほど行っています。看護実習は普段身近でなんとなくしているコミュニケーションを学ぶことからはじまります。緊張したりしてうまくいかないこともあります。非言語的コミュニケーションも必要です。今回は、私が実習指導で看護学生にしているコミュニケーションの大切さについて書いていきたいと思います。よかったらご覧ください。
私の病棟での看護学生の実習の現状
看護実習1日とはどんなことをしているのか
- 朝から朝礼での学生挨拶を行う(コミュニケーション)
- カルテより情報収集後、患者さんと会話(コミュニケーション)
- 食事の配膳見学(必要があれば食事介助見学)(コミュニケーション)
- バイタルサイン測定見学・実施(体温、血圧、脈拍測定)(コミュニケーション)
- 排泄介助(必要な場合)見学・実施(コミュニケーション)
- 入浴見学、シーツ交換実施、環境整備見学・実施(コミュニケーション)
看護実習生の実習期間の様子
1日目
病棟にて初めての挨拶を行い、スタッフとも初対面であるため緊張しています。実習生は実習指導者や患者さんへの挨拶での声かけに不安の顔を見せています。初めての患者さんとの挨拶では関係性もできておらず挨拶で精一杯の様子があります。患者さんは病状によっては会話ができない方もいらっしゃるのでどのようにコミュニケーションをとるかカルテからの情報収集の時点でイメージして声かけを行います。患者さんも初対面であり会話は続きません。
2日目
少し患者さんとも顔見知りになり、指導者とも笑顔にて話せるようになります。実習生はまだ情報の整理ができておらず、不安な表情も見せます。患者さんの全体像を把握するのに一生懸命です。患者さんからの情報を取るべく、病室へ訪室してコミュニケーションをとります。
3日目以後
毎日患者さんとコミュニケーションをとるにつれて関係性ができます。毎日の関わりにて認知症の患者さんは顔を覚えてくれています。実習生も患者さんの全体像の把握ができ、緊張はあるものの会話はスムーズになりました。バイタルサインや環境整備など患者さんに関わることも増えてきますので関係性の構築ができていきます。患者さんの症状に対して声かけすることで患者さんも安心した笑顔を見せてくれます。
最終日
最終日はすでに実習期間にも伴いますが関係性はできています。患者さんに関わることが熱心な実習生ほどコミュニケーションは上手になり患者さんとの関係性はできているようになっています。緊張な表情ほぐれて、笑顔も多くなり、カンファレンスでの発言も多くなりました。
コミュニケーション方法
コミュニケーション方法としては言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションがあります。無意識にしていることもありますが詳しく確認していきましょう。
言語的コミュニケーション
コミュニケーションとは情報伝達や意思疎通などの表現、また意思に伝え合う、交流を図るなどの行動を示す言葉のことです。言葉はコミュニケーションをとる際に必要なものであり、毎日の生活でも行っています。あいさつも言語的コミュニケーションとなります。
あいさつ
言語コミュニケーションの基本はあいさつがあります。あいさつは相手の存在を認め友好的に関わろうとする意思表示です。はっきりと明るい口調で「おはようございます」「こんにちは」「いってらっしゃい、お気をつけて」自分から先に挨拶の言葉をかけましょう。
言語的コミュニケーションをとる際に大事なポイント
- わかりやすい言葉ではっきりと伝える。
- 話を聞く時間を作る
- 曖昧な表現や専門用語は避ける
- 心配りを伝える優しい言葉をかける
- 肯定的な言葉をかける 否定的な言葉は使わない
非言語的コミュニケーション
言語的コミュニケーションが基本ですが高齢者の方は難聴になったり、視力低下したり、認知症にて会話ができなくなったり、理解できなくなったりと会話することができない方もいらっしゃいます。その方に対しては非言語的コミュニケーションが必要となります。
目の高さ・アイコンタクト
目の高さによって相手との上下関係を表します。同じ目の高さが基本です。適切なアイコンタクトにてメッセージが伝わります。
表情
やわらかい表情、自然な笑顔で話します。笑顔の温かさ、やさしさを伝え、安心感を与えます。
声の大きさ・印象・声のトーン
聞き取りやすい話し方を行うために適度の大きさ、お腹から声を出します。声の印象は明るく、優しい声が好まれます。声のトーンは相手状況に応じて高め(元気な印象)低め(落ち着いた印象・説得力がある)を使い分けます。高齢者には低めのトーンが伝わりやすい(高音部から聞き取りにくくなります。)
滑舌・開口
口角をあげ言葉をはっきり、舌や唇を動かします。口を読みながらコミュニケーションをとる場合もあるのでその時は口角をしっかりあげて伝わるようにします。
姿勢
話をする前には背筋を伸ばして深く息をします。姿勢も正しくして会話することで好印象になります。臥床している患者と離床している患者に合わせて姿勢を目線も変えますが、姿勢は正しくして好印象を持ってもらいます。
位置関係
相手と90度の角度で座る直角法がリラックスできると言われています。ベッドサイドに椅子を持っていき座って会話を行います。
身だしなみ
身だしなみは自己表現ですが身だしなみを意識することは自分の気持ちにも影響します。毎日セルフチェックをしましょう。身だしなみで好印象を持つことができます。
実習指導者の指導の現状
患者さんと学生との間でコミュニケーションをとり関係性を気付けるように声かけをおこなっていきます。患者さんと指導者は元々関係性もできていることが多く、実習生との間に入り、実習生が声をかけやすい雰囲気を作ります。学生は実習ではわからないことも多く不安に感じます、それに対しても声かけを行います。声かけをすることで指導者とも関係性ができます。指導者は看護学校の先生ともコミュニケーションを行い、看護学校に帰った後に振り返りができるようにして次回有効な実習ができるようにします。学生が困らないように先生とも話し合いながら実習を進めていきます。
今までの実習指導経験で分かったこと
実習生とのコミュニケーションのとり方
- 話すことで関係性を築く
- 表情や声のトーンでも安心することができます
- 先に自分のことを話すことで相手は安心することができます
- 話を聞くだけでも相手は安心することができます
- 毎日会って、声かけを続けることでしっかりとした関係性を築くことができます
最後に
コミュニケーションは私も苦手ですが実習以外の場面でも使うことができると思います。コミュニケーションを再度学ぶことでポイントを使用し、有効なコミュニケーションをとることができると私も改めて気づくことができました。これからの新人指導や看護師実務でも使用し心地よく業務しやすい環境を作っていきたいと思います。非言語的コミュニケーションを意識してすることでスタッフの印象も良くなると実感できています。看護も基本に戻ることで重要なことを身につけることができます。よかったら参考にしていただいて実務や実習で活かしていただくと嬉しく思います。
見ていただきありがとうございました(^^)
実習指導者編も書いていますのでよかったらご覧下さい。
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