ナース指導者が教える 看護学生が病棟の怖さと不安や緊張の嵐を改善する方法
私はナースの新人指導と実習での学生指導も行っています。看護学生は必ずといっていいほど緊張をして実習をやり遂げます。その中で精神的に不安でついていけない時に急に実習を欠席されることもあり、実習停止になる場合もあります。その場合は受け入れることしかできませんがなるべく学生全員でやり遂げてほしいということを指導側も思っています。これらを解決するためにどうしたらいいのか自分の学生の時も思い出しながらお伝えしたいと思いますのでよろしければ参考にしてください.
実習での病棟の印象
- 病棟の雰囲気が怖い
- 看護師が怖い
- 忙しそうできちんと対応してくれるかが不安
- モニターなどの音が怖い
- 患者さんが受け入れてくれるか不安
- 情報を整理できるか記録も不安
- 看護展開できるか不安
これらは私が実習を5年以上関わっている中での学生の発言や記録からの印象であり、これらの不安や心配があることがわかります。最初からできる、大丈夫と思っている学生はほとんどいない印象があります
病棟の雰囲気が怖い
病棟での看護師はバタバタしており、忙しい雰囲気があります。これは私が学生の頃もあった印象で病棟に数名の学生が入った瞬間に「キタキタ」と言われているような印象もありました。お互い初対面でもあるためどのような関係性になるかどのような実習になるか、看護師や学生の姿を見て観察する印象があります。また病棟のモニター音やナースコール音に現場の緊張を感じて、自分がこの中で実習ができるのか不安でたまらないというような印象もありました。
看護師が怖い
看護師は忙しいイメージ、人間誰しも忙しい時は鬼の形相になりますし、言葉遣いも厳しくなる場合もあります。これは状況に応じている、対応している時には仕方のない場合ですが、看護師は日々対応力を身につけて接遇にもきちんと対応する訓練や意識づけを行っています。看護師同士の関係性もありますがまずは患者やご家族様に良い印象を与えるための接遇はきちんと行うように心がけています。その中で学生には口調や表情で怖いイメージを持たれる場合もあります。特にベテランは仕事に慣れていることもあり、口調が厳しい場合もあります。これに看護学生が反応して緊張することも少なくありません。
忙しそうできちんと対応してくれるかが不安
基本実習指導者は優しく対応する方がなりますが、病棟看護師が関わることも多くあり、先ほど言ったように看護師によっては口調が厳しい人もいます。忙しくなると学生よりも患者となり、放っておかれる場合もあります。これは仕方なく、後で実習指導者がフォローに入ることもあります。
モニターなどの音が怖い
これは私が看護学生で実習に行った際に感じた印象でモニター音が緊張感をもたらすと思いました。現場は厳しく怖い印象をもたらします。自分が知らない環境でこの先実習ができるのか不安でたまらなくなりました。また学生はナースステーションのどの場所にいたらいいのか落ち着かずウロウロしていたようにも思い出します。
患者さんが受け入れてくれるか不安
実習では受け持ち患者が設定されていますが、情報収集後に患者紹介となり、人見知りである場合、受け入れは大丈夫か心配することも多々ありました。口調が優しく挨拶していただけるだけで嬉しく、この中でバイタルサインも緊張してが手が震える場面も何度も経験し、私が指導者になっても学生が血圧を測るのに何度もマンシェットを撒き直している場面を見てきました。私が学生の時は清拭も実践しましたが、今の学生は実技よりも見学、記録重視となることも多くなり、患者との関わりも少なくなったように感じています。
情報を整理できるか記録も不安
実習前に病棟の特徴を学習し、実習の目的から何を学ぶかを考えて実習に臨みます。患者の既往歴や現病歴が多くある場合、それを情報収集し理解するところから始まります。記録にもこれを反映しなくてはいけません。毎日の目標と実施記録、情報からのアセスメント、看護問題から看護計画立案、評価まであらゆる記録を毎日行い、教員や実習指導者に診てもらうことはとても負担でした。これを実習前に行えるかという不安も多くあったように感じています。実習指導者になってからも記録や看護計画を立案したり修正が間に合わない学生もいたように感じます。
看護展開できるか不安
先ほど言ったように情報収集からアセスメント、看護問題から看護計画立案、評価がきちんとできないと評価が落ちてしまうことはわかっていますが看護問題を理解することは病状や生活習慣を理解しないとわからないですし、短期間の実習でこれを理解しないといけないという実習に対して不安しかないように感じていました。
不安と緊張を解決する方法
- 実習前に看護の展開を理解しておく
- 病棟の雰囲気には慣れるしかない
- 看護師の対応は教員や実習指導者へ相談
- 学生同士、グループでの協力体制が必要
- 自宅での学習も継続し記録を充実させる
- 家族と不安を話す
これらの解決方法があると思いますが、人によっては気分転換する方法がありそれがいい場合もありますので個別な対応方法もあると思われます。バイタルサインの技術ができない場合は学校で練習したりして臨むことも必要となります。実習指導者に何を注意されたのかを理解して次回の実習の臨むことが必要であることも多いにあります。
実習前に看護の展開を理解しておく
実習前に看護展開は理解している前提で実習は進めるためこれをきちんと理解できるように学習しておきましょう。事例を通して理解することが一番わかりやすいと思われます。
病棟の雰囲気には慣れるしかない
病棟実習初日は本当に緊張しますが何日も実習を重ねることで患者との人間関係ができたり、スタッフとも顔見知りになると少しずつ安心することが増えてきます。そうするとやるしかないという環境になり、後何日というカウントダウンが始まります。そして実習が終了した時には達成感しかありません。私もこのように実習を終わらせていきました。
看護師の対応は教員や実習指導者へ相談
看護師が学生に対して優しく対応していることは前提ですがもしあまりにも対応が悪い場合は、教員へ伝えて教員から実習指導者へ伝えていただくこともあります。これは学生自身の実習態度もいいと前提である場合がありますが実習受け入れ側もきちんとした対応が望まれます。
学生同士、グループでの協力体制が必要
実習は1人で頑張るものではなく、みんなで協力してやり遂げるものだと思います。自分がリーダーの場合やそれぞれの役割を理解して協力体制を作ると実習をスムーズに追われせることができます。実習カンファレンスは特にこれが関連するため実習カンファレンスの進め方も理解する必要があります。
自宅での学習も継続し記録を充実させる
実習での病状の理解、記録方法は充実させましょう。これをきちんと行うことで評価が上がりますし、実習指導者や看護師が質問した場合にも記録を参照して答えることができます。
家族と不安を話す
不安を学生同士や教員に話して解決できない場合(家族に患者情報は話せませんが)話を聞いてもらい次の日の意欲につなげたり、好きな食べものを作ってもらい意欲改善する方法があります。個人によって解決方法に違いがありますが好きなこともこれに含まれると思うので楽になる方法『リフレッシュすること』を休憩時間に入れて不安や緊張を和らげる方法が必要だと思われます。
最後に
今回は実習の不安を緊張を解決する方法について書きましたが、これは私が学生に感じていたことも含まれており実習場所によっても状況によっても違いがあるため全部の実習で共通することでもありませんが、基本的なところは共通していると感じているため少しでも参考にしていただけると嬉しいです。見ていただきありがとうございました。






