ナース指導者が教える 地域包括ケア病棟での夜勤業務 急変対応とは
我が病棟、地域包括ケア病棟は入院60日にて退院しないといけないのですが、超高齢化に伴い急変する患者さんも多い傾向にあります。今回は地域包括ケア病棟での夜勤の内容と、急変について書いていますのでよかったら参考にしてください。
夜勤の時間帯
私の病棟の特色
私の病棟は地域包括ケア病棟で整形外科病棟にて手術後リハビリのために入院したり、自宅にて独居の高齢者、施設での発熱、転倒後の骨折の患者さんなど患者層は様々です。入院患者さんは年齢的に70歳から90歳が多く整形手術後以外に慢性心不全や誤嚥性肺炎を繰り返して入院されている方も多い傾向にあります。そのため急変は起こりやすいと考えられます。
地域包括ケア病棟 夜勤の勤務体制
我が病院での夜勤体制です。それぞれの病院で違いはありますのでご了承ください。
- 我が地域包括ケア病棟は夜勤帯でも入院受け入れはしています。
- 看護師は三人で夜勤を行います。
- 看護師3人で固定チームで別れて患者さんの観察を行います。
夜勤での入院受け入れ
我が病棟は夜勤での入院受け入れをしています。病院系列の施設の患者さんが多く、発熱や嘔吐、酸素飽和度の低下など急な状態変化にて来院されることが多く、入院となります。夜間施設は看護師がいないことが多く、急変時は系列の病院受診するようになっていると思われます。
夜勤は看護師は3人
私の病棟は看護師3人で夜勤をしています。そのため雑用も担当者が行うようになりますが、急変があれば3人で対応できる安心感はあり、心強いです。急な入院でも協力して受け入れをすることができます。
看護師3人の固定チーム
看護師は3人で固定チームに分かれて患者さんの観察やケアを行います。60名近くの患者数となっていますので3人で分けてチームとして患者さんの観察を行います。夜間は急変したり、転倒したり、ナースコールも頻回です。その際に3人が分かれていることできちんとした観察が行えます。1人で20人近くを観察することは厳しいこともありますのでその際は協力してケアを行います。入院は患者人数の少ないチームが受け入れを行いますが、3人で協力して受け入れは行います。
地域包括ケア病棟の患者層
患者層はADL自立している患者さんもいますが、超高齢者が多く、認知症も多いため転倒・転落危険性がある患者さんも多い状況です。一部介助が必要な患者さん、全介助が必要な患者さんもいます。排泄はトイレを使用している患者さんもいますが、ポータブルトイレをベッドサイドにて使用している患者さんもいます。ふらつきがある患者さんは見守りや付き添いが必要ですがその時はナースコールを押すことを忘れて廊下へ出てこられたりする場面もあります。その際は転倒の危険性が増すのでセンサーマット、サイドコール、タッチセンサー、センサーベッドなどのナースコールを押さずとも踏んだらナースコールが鳴る機能のマットやベッドがあるのでそれを使用して危険を予測し介助を行います。センサーにはいろいろな種類・機能があり、患者層に合わせて使用方法を変えます。
安全管理
上記で示した通り患者層は超高齢者が多く、夜間は安全を管理しなくてはいけません。夜間は入眠するものと思いますが、入院環境に慣れず夜間せん妄になることも多いです。
急変時の対応ついて
急変は日勤もありますが夜勤も起きます。急変の対応ができないと夜勤は入ることができません。新人は夜勤での急変の対応を研修や病棟での勉強会を通して学んでから夜勤導入となります。
急変した患者を発見した時
意識を確認する。
患者に対し、いつもと違う・何か様子がおかしい、と感じたら、肩を軽く叩きながら「大丈夫ですか?」と大きな声で呼びかけます。呼びかけに対して、目を開ける・返答する・目的を持った仕草をするなど動きがなければ「反応なし」と判断します。顔色や呼吸の状態を確認し、異常があれば応援を要請します。
患者さんの急変時の対応方法を確認する。
入院時に急変時心肺蘇生を行うか、どこまで行うか病状説明時に確認したかをカルテで確認します。
医師・家族連絡します。当直看護師へも連絡します。
NO-CPR, もしくはDNRと確認したら本人やご家族は心肺蘇生を希望していないという意味です。ご家族に早めに連絡し状況を伝えます。「心肺蘇生をせず自然な形で」とご家族が希望されることもありますのでその際はご家族が来られるまで当直医へ連絡しその内容を伝え、主治医指示にて対応します。連絡者が家族、当直医師、管理当直看護師へ連絡します。
人と蘇生に必要なものを集める(CPRする場合)
カルテ上に記載のCPRが確認される時は心肺蘇生の対応を行います。
呼吸・循環を確認し、胸骨圧迫を開始する
- 呼吸を確認する。(顔を患者に近づけ視線は心窩部に持っていきます。音や息を聴いて感じて、胸郭の動きの有無を観察します。)
- 循環を確認する。(脈拍触知とできればブランチテストをします。循環が正常化確認します。)
- 呼吸がなく心停止している場合は直ちに胸骨圧迫を開始する。(胸の真ん中、もしくは乳頭と乳頭を結ぶ線の真ん中を圧迫する。1分間に100回の速さで圧迫する。5cmほど沈むように強く30回押す)
心肺蘇生を開始する
- 気道を確保しバッグバルブマスクにて2回人工呼吸を行う。(胸が動くのが分かる程度に行います)
- 胸骨圧迫を30回行う。(胸の真ん中、もしくは乳頭と乳頭を結ぶ線の真ん中を圧迫します。1分間に100回の速さで圧迫します。5cmほど沈むように強く30回押す)
- 人工呼吸2回と胸骨圧迫30回を絶え間なく繰り返します。
その後の対応
心肺蘇生後心拍改善すれば、医師の指示のもと対応する。改善しなければ医師からご家族へ状況を説明いただく。
休憩について
最後に
今回は夜勤準夜帯についてと急変も含めて書きました。夜間は安全管理を求められるので私も毎回緊張します。でもきちんと行うことで安全に夜勤を終えることができます。夜勤メンバーと協力し合って行わないといけません。協力して行えるようにしっかりコミュニケーションをとるようにしておきましょう。見ていただきありがとうございました。
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