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ナース指導者が教える新人教育 入職から1年間の取り組みと今後の目標

ナース指導者が教える新人教育 入職から1年間の取り組みと今後の目標

私は地域包括ケア病棟で働いており、実習指導者とナース指導者、新人指導も行っています。新人は4月に入職して1年間新人研修を行い、病棟でも教育を行っていきます。今回は新人指導の一年をとおしての取り組みとその後の目標について書いていきます。

入職時の新人ナース

入職時の新人ナースの目標

  • 社会人としてマナーのある振る舞いや接遇ができる。
  • 1日のペースが掴める。
  • 指導者に報告・連絡・相談をきちんと行う。
  • 採血など技術を○月までに自立できる。

夜勤に入るまでは毎月プリセプターと一緒に目標を立てます。入職時の目標は基本的なものが多く、達成できると目標は個別性の目標になります。目標が達成できないこともありますのでその時は来月も同じ目標にて取り組みます。1年間のスケジュールや目標が決まっているのでそれに合わせた目標になります。毎日、毎月末の目標に合わせた反省などを記録物に残していきます。それに対して指導者はコメントを残し次回へ繋げます。

新人は入職後1ヶ月はその職場になれることがメインで研修も毎日あります。その場に慣れ研修も終わると病棟で指導者につき見学、流れを覚えます。その後患者一人から部屋持ちを行います。まずは研修を受けた内容について実施できるように病棟でのOJT(教育)も継続して行います。これも他のブログで記載しています。

入職から10月までの流れ

下記は新人の入職時から10月までの私の病院(地域包括ケア病棟)での新人の流れを表にしています。病院によっても流れも違うと思うので参考としてください。毎年検討をして次年度変更することもあります。流れのマニュアルはありますが、進み方は個人で違いがあるのでこの状況で進まないこともあります。部屋もちに関しても本人のアセスメント力が向上したり、仕事が進まない状況になると増やすことはできません。6月、9月に1日振り返り表を提出、その時に技術チェック表も提出、また教育担当者との面談もあります。教育担当者との面談では現在の進み方を見て悩みがないかなどを話し次へ繋げていくために行っています。教育担当者はプリセプターの指導者であり、新人指導の全体を把握しているスタッフです。その後月末に来月の目標をプリセプターと決めます。私の病棟は地域包括ケア病棟なので入院、転入、退院もできるように指導していき自立へ導きます。夜勤は7、8月くらいからの導入となりますが日勤業務ができないと夜勤はできません。アセスメント力も日勤以上に求められます。これも個人によって違いはあるのでその状況に合わせて指導を行います。

新人の流れ初期

入職後の新人ナースの状況

個人によって進み方が違うので同期と比べることもあると思いますが新人同士もコミュニケーションをとり協力して進もうとしているように感じます。前期は夜勤までの研修と病棟でのOJT(教育)をメインにしておりそれに忙しくしていますし、日勤業務にて技術の取得にも励んでいます。なかなか進まないと不安になると思われますが1日の振りかえりを行い、指導者も新人が振り返りを行った後コメントを残しますが、毎日新人が問題を解決できるように取り組んでいます。病棟に慣れ、救急の研修が夜勤前に行われますがその後に毎月新人同士で協力して救急勉強会を行います。やはり病棟スタッフの前で行うので緊張はしておりしっかり勉強会をしないと指導を受けるようにもなります。成長段階なので挫折する新人もいますがやる気が持続する新人は最後まで続けることができているように感じます。

入職半年後の新人ナース

入職半年後の新人ナースの目標

入職半年後は夜勤の導入が開始となり、入院受け入れ、退院出し、転入受け入れを行っています。夜勤の自立ができているので入職時に比べると成長できていることに自信がある動き(やる気がある)をしているように感じています。目標は

  • チームの看護師へ報告・連絡・相談が行える。
  • 夜勤での急変に対応することができる。
  • 新しい技術を覚える。
  • インシデントを起こさない。(確認をしっかり行う)
入職後半年経つと他のスタッフと同じ動きもできるようになりますが、確認が足らなかったり、アセスメントが足らない場面もあります。自己判断に不安がある様子もあるのでリーダーにきちんと報告、連絡、相談を行い、共有をして実施を行い、定着することで判断力、アセスメント力をつけていきます。

入職半年後の新人ナースの状況

新人は半年経つと病棟に慣れてはきますが仕事量が増え、一つ一つ確認をしたり、新人は優先的にナースコールを取る傾向にあるので記録物が終わらず、残業を強いられている様子があります。また同期と比べて差ができ焦る。仕事ができないと感じしんどくなる。人間関係が辛いなどがあります。

  • 残業が増える。
  • 同期と比べて差ができ焦る。
  • 仕事ができないとしんどく感じる
  • 人間関係が辛い

残業が増える

新人は業務を確実に行うことと、業務に慣れていないことで時間がかかります。記録や処置が終わらず残業になる場合が多いです。残業が続くと仕事に対しても不安が出て自信喪失へつながり退職への悩みへと繋がってしまいます。

同期と比べて差ができ焦る

新人看護師は同期の看護師と比べることが不安につながり悩みとなることがあります。新人は夜勤導入できている看護師、進みが早い看護師と比べてできていないと感じてしまい焦り、不安へつながります。

仕事ができないとしんどく感じる

業務で他の新人スタッフと比べて自分が仕事ができていないと実感するとしんどくなり、不安へつながります。不安へつながりは指導者やスタッフとのコミュニケーションにて改善することもありますが改善しないと悩みへつながり持続することで退職へつながる場合もあります。

人間関係が辛い

リーダーへ報告・連絡・相談を行い情報の共有を行うことでアセスメントし、援助を行いますがスタッフとの人間関係に辛さを感じる場合もあります。新人同士やプリセプターと話して改善する場合もありますが話しても改善しない場合もあります。

このように新人は今の現状で失敗したり、仕事の多さにて不安を感じると悩みが募り退職に移行する場合もあります。他のスタッフや同期とのコミュニケーションにて改善する場合もあるので指導者は新人が失敗したり、表情が暗いように感じた時は声かけを行い、気持ちが改善するように努めます。
今までの新人の退職についてもブログを書いていますのでよろしければご覧ください。

 

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今後の目標(地域包括ケア病棟の場合)

私は地域包括ケア病棟にて働いているので私の病棟での目標を例としてあげます。病院や病棟によって違いがあると思いますので違う場合はご了承ください。入職して半年経ちますのでほぼ新人は夜勤導入しています。その中での目標としては

  • 報告・連絡・相談の継続。
  • (入院、転入、退院対応ができていないとき)入院、転入、退院受け入れができる。
  • 受け持ち患者を一人受け持ち入院から退院までの流れを理解できる。
  • (自己学習が足りない新人に対しては)きちんとメモをとり自己学習へつなげることができる。
  • 自立できていない技術を積極的にスタッフへ声かけし積極的に実施し自立することができる。

また整形病棟での手術出しに関しても行っていなかったり、手術後のケアができない新人に関してはその内容の目標をあげます。夜勤で急変に対応できないようであれば自己学習を促しできるようにしていきます。救急の勉強会は定期的にありますので積極的に参加し、病棟でも指導していきます。

各新人によっても進み具合が違うのでその新人にあった内容の目標にして実践していきます。夜勤導入できるかどうかで一年頑張ることができるかの目安になるのでその状況を見ていきながら目標も設定していきます。

11月からの新人ナースの流れ

11月からの新人の流れ

これは私の病院での後半の流れとなります。最後の3月で受け持ちを4人まで増やします。その後は一人前となりますので技術チェック表や評価ファイルは提出となります。プリセプターも終了となりますが2年目になっても経験していない技術はありますのでその都度実施して経験値を上げていきます。プリセプターは終了となりますが2年目以降も相談相手として関わってくれます。

最後に

今回は新人ナースの入職時から半年、その後3月までの状況、目標を書きましたが、個人的には新人はそれぞれ状況に違いがあり、進み方もバラバラです。目標も各個人で違いますので個人の進み方にあった目標を立てます。目標の月に達成しなくても次回達成できるようにと継続して目標は立て続けます。きちんと毎日振り返りを行い次へ活かすことにより成長することができます。私は10年新人指導を続けていますが毎年一人はやめてしまいます。その新人ナースにもっと違う対応していれば辞めずに済んだのかなとも考えます。看護師の仕事は過酷であるのでその状況でも仕事を続ける新人はやりがいを持ってくれていると感じます。必ず問題を解決する日は来ますし、達成感を味わうこともできます。それを新人ナースが経験できるように指導していきたいです。見ていただきありがとうございました。

プリセプターと、プリセプティについてのブログも載せておきますのでよかったらご覧ください。

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